災害対策③備えあれば憂い少し減る。日常の食品を設計し住まいや拠点に備蓄していく。

在庫管理の考え方

備蓄食品を管理するには、在庫管理の仕事だという考え方をする必要があります。さながら店頭に商品を展開するように、備蓄は「非常時に備える」だけでなく「日常の延長として活用できるもの」を余らせていきます。定期的に消費しながら補充を行うことで、無駄が発生しにくい仕組みを作ることができるのです。

毎週インベントリー

備蓄がちゃんとできているか把握するためには、定期的なチェックが欠かせません。毎週1回、インベントリーを行い、

  • どの食品が減っているか
  • 賞味期限が近いものはないか
  • 新たに追加すべき食品は何か

を確認します。これにより、備蓄品の鮮度を保ちながら、過不足を防ぐことができます。チェックリストを用意しつつ、足りないものを発注するような形で在庫をみていきましょう。

最初はしっかりインベントリーして食材の減りを把握しなければならないですが、慣れてくれば、よく使うものは定期購入を活用するなどして仕入れの手間を減らすようにしていけば貴重な休みを有効活用していけるのではないでしょうか。

ただ、災害対策の観点でいくと、1ヶ月毎の補充だと減りきった時にもし災害が来てしまうと悔やむことになると思うので、できるだけサイクルは細かくするか、場所が許すならさらにもう一箱はストックされているなどできれば、なおよいでしょう。

ローリングストックを導入

繰り返すようですが、「備蓄は使わないものを貯める」という発想ではなく、「日常で使うものを多めにストックしておく」という考え方が重要です。これがローリングストックの概念です。

  • 普段食べる食品を少し多めに購入し、古いものから順番に消費していく。
  • これにより、非常時でも普段の食生活を維持しやすくなる。
  • 不意の出費を抑えつつ、いざという時の安心感を得られる。

ということは、自分が食べ続けても苦ではないものを見つけなければなりません。

ゼリー食品は日頃の朝食を兼ねる

ちなみにゼリー食品は、個人的にはかなり利便性を感じています。私の場合はカロリーメイトが苦ではないので、朝食に取り入れて日々の栄養バランス補助としつつ、非常食としての活用を想定しています。菓子パンだけを食べているような日常からの移行だったので、日々の満足度は上がっています。

  • 手軽にエネルギー補給ができる
  • 普段の朝食にも使える
  • 長期保存が可能 といった利点がある。

トランクなどの箱保管

備蓄品をどこに保管するかも重要なポイントでしょう。特に狭い住まいでは、備蓄がそもそもできない可能性があります。賃貸物件なら、せいぜいクローゼットに保管できるかくらいではないでしょうか。ワンルームならヘタをすると、クローゼットも申し訳程度だったりそもそも備え付けられていない、というケースもあって全然保管スペースがないという事もありえるのです。それでも、1個くらいは備蓄用のトランクを用意するなどはできるとは思うので、可能な範囲で備蓄を試みてみるのがよいでしょう。

  • トランクや収納ボックスを活用する
  • ベッド下や押し入れを有効活用する
  • クローゼット内のスペースを確保する

どのくらいの期間を目安に備蓄するか

一般的に、災害時の備蓄は最低3日分、できれば1週間分が推奨されます。ただし、先程も述べたように、備蓄スペースやライフスタイルに合わせて、現実的な範囲で考えるのが賢明です。

  • 1週間分の備蓄があれば、物流が回復するまでの時間を稼げる。
  • 普段の食生活と乖離しすぎない範囲で、無理なく備えることが大切。

現実的な備蓄量はどのくらいか

現実的な備蓄量を決める際には、

  1. 1日あたりの必要カロリー
  2. 食事の回数と内容
  3. 備蓄スペースの制約 を考慮する。 たとえば、1日2000kcalを目安とした場合、
  • ゼリー食品(200kcal × 3食 = 600kcal)
  • 栄養補助食品(400kcal × 2食 = 800kcal)
  • その他の軽食(600kcal) といった組み合わせで計算すると、1週間分の備蓄量が具体的に見えてくるかと思います。

とはいえ、これも先程述べたスペースの問題との兼ね合いになるので、トランクなどの保管スペースに可能な限り備蓄しておくというところから目指すとよいかと。

どこに保管するか 住まいは基本狭い

狭い住まいでは、

  • クローゼットの整理
  • 押し入れの活用
  • 家具の隙間を活用
  • 縦型収納を検討 といった工夫が求められる。

私の場合は、クローゼットに6個ボックスを用意し、水、茶、ゼリー飲料、羊羹、お菓子、簡易トイレ、おむつ等を用意している。また棚の部分にティッシュペーパーとトイレットペーパーを空いたスペースに置ける限り置いています。

衣服を精査すればクローゼットに場所が取れる

https://workref-log.com/life/1197/  で書いたクローゼット精鋭化もこの課題につながります。

不要な衣服を整理すれば、クローゼット内に食品備蓄のスペースを確保できます。

  • 1年以上着ていない服の見直し
  • 季節ごとの整理 を行うことで、余計な物を減らし、備蓄スペースを作ることができる。

備蓄する食品は調理はしない前提で

ストックする食料の種類についても考えておきたいところです。備蓄する食料を何にするか、という問題も個々人、家族の趣向によりカスタマイズが必要なポイントです。私の場合は非常時は調理設備が使えない可能性があるのと、ガスボンベ等の調理器具を保管することがローリングストックとして難しそうに思えたので一旦切り捨てています。そのため、チョイスする基準としては下記のような形になるのではないでしょうか。

  • そのまま食べられる食品
  • 水なしで摂取できる食品 を優先する。

やはり、災害時だからこそ温かい食事が取りたいというのもあるでしょう。ただ、調理の時間をあえて設けることで心の癒やしになる、というようなイメージもわかなくもないですが、いつ起こるかわからないのでキャンプなどで日常的に調理グッズを活用できる状態にないと適切な保管ができないのではないかと思います。

割と健康的なお菓子をチョイスして食事補助と備蓄を兼ねる

ナッツやプロテインバー、子供向けお菓子など、栄養素もなかなか優れたものが各社から販売されているので、こちらも普段のおやつ兼、非常食としてストックしていくといいのではないでしょうか。

また、栄養素の観点ではなく心の栄養素という意味で甘いものはストレスを和らげる効果があるため、羊羹やチョコレートも一般的におすすめされているので、私も導入することにしています。

  • カロリーと栄養をバランスよく補える
  • 保存が効く
  • 非常時のメンタルケアを意識する といった食品を選ぶ。

缶詰はラインナップから除外

缶詰は、下記の理由で、あえて除外します。

  • ゴミ捨てが面倒
  • 日常的に消費しづらい

普段使いのものがそのまま調理できそうならするというスタンス

特別な備蓄食品を買うのではなく、普段の日常を整えていって余分に少しずつ買って蓄える形が自分にとって自然な備蓄となるのではないでしょうか。

住まいが広いなら、巷で販売されている災害時の食事セットのようなものを買っておいてもよいでしょう。

そのため、ローリングストックの考え方で、無理なく備蓄を進めていくことが重要です。

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