今の仕事に適性があるか?不得意・嫌いなことを軸に考えておこう

マッチング
Alexas_Fotos / Pixabay

毎日の仕事とその適性と

毎日の仕事で感じること

いきなりですが、日本で働く8割方の人々は仕事の日に基本的に憂鬱を感じているそうです。特に休み明けの憂鬱は大きく、ブルーマンデーなどと言われたりしていますね。私なんかは何もかも爆ぜてしまえばいいのにと思うものです(実際は困るし嘆き悲しむだろう)。

そのようなことは思わないにせよ、「できることなら働きたくない。」「このままどこか遠くへ旅立ちたい。」「どうせやるなら好きなことに全力を注ぎたい。」といったことは思っているのではないでしょうか。そして、そういった気持ちを日々持ちながらも、生活のため仕方なく嫌々やむを得ず、今日も満員電車に乗って決まった駅に降りて会社に行く日々を過ごすものです。

仕事の楽しさと苦しさ

そのような憂鬱な毎日でも、いざ仕事に取り組みだすと、楽しい瞬間というのもあるといえばあって、やりがいのようなものも感じるときもあるものです。もしくは、責任感や競争心から同僚よりは高い成果を出すことにこだわって夢中になっている瞬間もあるかもしれません。

しかし、楽しくて楽しくて能動的に動ける状態かといったらそうではなく、あくまで惰性や淡々と日々の業務を処理するだけの毎日であることには変わりはなく、休み前の僅かな気分の盛り上がりと、休み明けの憂鬱との再会を繰り返す。そのような、後ろ向きな気持ちと前向きな気持ちが交互に訪れる社会生活を過ごす中で、思うこともあるかもしれません。「今の仕事に自分は適性があるのだろうか。」と。

仕事の適性について考える

まあ、仕事の適性云々を考えている時点で、頭のリソースを上手く仕事に使えていないことの証明なので、適性がなさそうな気もしなくはないですが、そうではない可能性もあるかもしれないので、ここはしっかりと冷静に考えてみましょう。

ちなみに、お金に一切の余裕がない状態なら仕事の適性云々置いといて四の五の言わずに働かないといけないかもしれませんし、家族や友人、知人、専門家、国、などにすぐさま相談する必要があるかもしれません。仕事の適性を考えることができるタイミングというのは、少なくとも余裕が出てきて何かしらの行動を起こすことができる環境にある状態とも言えます。

余裕が出てきたタイミングで現状より良い環境を目指して計画を立てていくことは大事なことなので、ここはしっかりと冷静に考えてみましょう。2回言いました。冷静に考えることは重要なので。

mohamed_hassan / Pixabay

一般的な仕事の適性を知る方法

適性検査で自己分析する

一般的に仕事の適性を知る方法として認知されているものとしては、「適性検査」というテストが挙げられると思います。いくつかの設問に答えていって、自分の持っている特性や能力素質を判断するテストです。「SPI」や「GATB」「VPI」などポピュラーなタイプのものであれば、1度は目にしたことがあるのではないかと思います。

おもに法人や就職支援プログラムなどで行われているものになるので、個人で行うものではないかもしれません。企業で受ける場合は結果が分からないですが、就職支援プログラムで受けた場合は結果を確認することができるので、その結果から自分の特性を客観的に見て、これからの方向性を計画立てていけばいいのではないでしょうか。学生であれば学校で受けたりできたかもしれませんしハローワークなどでも受けることができたかもしれません。

とはいっても、自分のことがよくわからないといった場合は参考になるかもしれませんが、ある程度自分の特性が把握できている人なら「何だ、やっぱりそうか。」といった感想を抱くだけかもしれません。特性は子供の頃、学生の頃から現れているかと思いますので、あくまで再確認という作業になると思います。

性格診断で自己分析する

適性検査やこれまでの経験から、自身の適性をある程度判断できているなら、別の角度から自分を認識してみても良いかもしれません。ときには少し気軽に「性格診断」などで自分を分析するのもいいかもしれません。自分の性格タイプを16タイプで分ける「16Personalities」などが取り組みやすいのではないでしょうか。

選択式の簡単な設問に10分くらいで答えていけば、自分がどういったタイプなのかざっくりとしたカテゴリで判断できます。この性格分類方法の概要としては、内向型か外向型か、直感型か現実型か、論理型か道理型か、計画型か探索型か、という項目でそれぞれどちら寄りかによって分類します。

ちなみに、こういったものは自分の性格で変わりにくいポイントと変わりやすいポイントがあって、その人が置かれた状況によっては結果は変わってきます。性格診断はそういう性質があるということで捉えておくと良いでしょう。人は成長するものですし、置かれた環境によって考え方も変わるものです。

私が思うに、内向型・外向型という性質は変わりにくいとは思います。根本が内向的な人は、1人でいる時間を必ず確保する行動をするなど、やはりどこか内向的です。根本が外向的な人は、誰かと一緒にいる時間を必ず確保する行動をするなど、やはりどこか外向的です。この行動傾向は、年齢を重ねても変わりにくいです。

私の場合でいうと、1回テストしてから3年後にまたテストしてみたりしたのですが、直感型だったものが現実型に変化していたようで、結果がINTJ-TからISTJ-Tに変わったりしました。もともと、どちらかに振り切っているわけではなかったので、訓練や環境の影響を受けやすい特性といえるでしょうか。単純に年齢を重ねて直感よりも現実を重視しないといけなくなってきたのかもしれませんね。

DarkWorkX / Pixabay

自分の過去から適性を知る

得意なことで自己分析する

さて、適性検査や性格診断はあくまで自分のスペックの概要を捉えるという位置づけなので、分析を深めていくために、そこからさらに自分を深堀りしておきましょう。深堀りのために過去の出来事を思い出して、自分の特性を具体的な事実と結びつけていきます。

まず、自分が得意なことを思い出します。結果を出しやすかったこと、みんなが難しいと言っていることがさほど難しく感じていなかったことが「得意なこと」です。得意なことと言われても、何一つ自信がないしィ・・・上には上がいるしィ・・・などと思ってしまうかもしれませんが、そういったときは、他者が称賛してくれた内容を思い出してみてください。多少の社交辞令は人間関係上発生するものの、褒めるポイントがない部分を膨らませたりはしないので、他者の称賛というものは割と素直に受け取れるものです。(ここでは称賛の策略的な裏の意味など考えないように。)

アイデアが面白い、基礎がしっかりしている、洞察力がある、配慮が効いてる、行動力がある、仕事が丁寧、何気ない一言であればあるほど信憑性があるので要チェックです。しかしながら、他者の評価は情報としては曖昧なので、それをもとに自分の行動のどこを見て言ってくれているのかを紐付けていかなければなりません。

褒めてくれた人は自分をどういう立場から見る機会が多いでしょうか?自分がしているどの行動が評価されたでしょうか?褒めてくれた内容について、他の人を自分が見たときにどう思っていますか?よく分からなければ、これは宿題です。しっかり常日頃分析しておいたほうが、今後仕事の選択にも役立ちますので、漠然と〇〇さんから評価されているぜフフンみたいな状態からあと一歩踏み込んで考えておくのも大事なことです。とくに頑張ったつもりがなくても成果が出たり褒められたりしたことはどういったことでしたか?

不得意なことで自己分析する

次に、自分が不得意なことを思い出してみましょうか。得意なこととは逆で結果を出しにくかったこと、みんなが簡単だと言っていることがすごく難しく感じていることが「不得意なこと」です。気をつけておきたいのが、「苦手意識」を持っていることが不得意なことというわけではありません。苦手意識を自分が持っていたとしても、周囲の人間も同じように苦手意識を持っていて、周囲を見渡した結果として自分が比較的「得意」な状態かもしれないからです。あくまで結果として現れている部分を見たほうがいいでしょう。

これも、得意なことと同じ要領で過去を思い返してください。得意なことと逆で、他者から注意されたりアドバイスされたりしたことが不得意なことの可能性があります。その他者の能力に疑問符を抱いたとしても、能ある鷹が爪を隠しているだけでイーグルアイは素晴らしいかもしれませんし、ついばまれてしまうポイントは、少なからずウィークポイントだとは思われます。

アイデアがつまらない、基礎ができていない、周りが見えていない、配慮ができない、自己管理ができていない、仕事が雑、これも自分の行動のどこを見て指摘しているのかを紐付けていかなければなりません。注意してくれた人は自分をどういう立場から見る機会が多いでしょうか?というしに、他者に指摘をするのはなかなかないかもしれません。基本的に波風が立たないようにすると思うので、指摘はなかなかないでしょう。雰囲気で掴むしかないので難しいところです。頑張らないと成果が出ないこと、怒られやすいことはどういったことでしたか?

好きと嫌いで自己分析する

次に、自分が好きなことを思い出します。単純にやっていて楽しいことが好きなことです。または、自分が能動的に時間を割いていることを洗い出してみてください。能動的に時間を割いていることというのは、手間取って時間が掛かっていることではなく、早い時間で終わらせることができる方法はわかるけれどもあえて時間を掛けていることです。これまで取り組んできたもので量が多い行動です。そういったことはおそらく「好きなこと」です。

ただし、好きなことでも時間など何かしらの制限があったときに苦痛のほうが大きくなる場合は、思い入れがある分空回りする可能性がありますので、感情のコントロールが難しいものとして「不得意なこと」にも分類したほうがよいかもしれません。基本的には、好きなことも一種の得意分野といえるかもしれませんが、好きだからといって他の人に比べて優位性があるかどうかは分からないということです。社会はあくまでそのコミュニティの中での比較で判断されるということが要注意です。

あとは、自分が嫌いなことを思い出しておきます。これは、単純にやっていて辛いことです。例えば、1時間かかる単純作業と30分の後輩トレーニングという選択肢があったときに自分が避けてしまうことを洗い出してみてください。これまでしてきた選択を思い出すのです。嫌いなことは、基本的に行動に移せないはずです。自分の過去の行動がそれを表しているはずです。ついつい逃げてしまうことというのは本質的に嫌いなことです。

geralt / Pixabay

仕事の適性を具体的に捉える

不得意・嫌いを中心に適性を掘り下げる

これまで「得意」「不得意」「好き」「嫌い」の面から自分を掘り返す作業をしてきましたが、さらに「不得意」「嫌い」を中心に具体化していきます。ここからが、実際に仕事で自分の適性をマッチングさせるために重要な工程となります。仕事の適性を見る場合に重要なのは「不得意」「嫌い」という後ろ向きな理由を軸に適性を判断することが肝です。

「得意」や「好き」を軸にしないといけないのでは?という疑問もあるかもしれませんが、「得意」は周囲と比較した結果に依存する部分がありますし、「好き」はあくまで自分の行動の方向性を決めるきっかけとしてはいいのですが、恋愛と同じように幻想を抱いている部分も多いので、毎日やる仕事の適性を考えるならあまり判断軸にしないほうがよいと思います。

もちろん「得意」や「好き」は適性を判断する情報としては大事なものです。ただ、優先的に考えるのは「不得意」や「嫌い」です。「得意」や「好き」を軸に適性ある仕事を決めていくのは難易度が高いのです。というのにはいくつか理由があります。

仕事は「ある程度の期間継続して行う必要があるもの」だから

仕事を選択する場合は、生活基盤を作ることが前提なので、できるだけ長く働くことが基本になると思います。1ヶ月だけ働ければいいやという状況はどちらかといえば少ないでしょう。

そして、長い時間継続して行うためには、「嫌いなことが少ない」に重点を置く必要があります。結婚で相手に求められる要素と同じようなもので、人間基本的に嫌いなものは続けていけません。仮に続けていけているとしたら、嫌いなことが嫌いでなくなった等自分が変化したか、嫌いなことを無理やりスルーできるようになったからです。

前向きなエネルギーより後ろ向きなエネルギーのほうが強いから

人間が前向きなエネルギーで行動することができるのは、ごくわずかな期間だけです。体験したことはないでしょうか?モチベーションが高まってやる気がみなぎって、「よしやるぞ」と物事に取り組んだものの、実際にやってみると3日坊主になってしまったこと。私は何度もあります。

逆に、後ろ向きなエネルギーは自然に継続的な行動力を生みます。例えば、面倒な繰り返し作業がとても嫌いな人は、効率化できるフォーマットを作ったり、プログラムを組んだりしますよね?その作業も面倒極まりないものであったとしても。人間、嫌なことを減らすための行動力はすごいのです。「やりたくないことをやらないため」の行動は特に意識せずとも自然に行動ができます。

自分がやりたいことにジャストフィットする仕事は基本的にないから

この社会で自分がやりたいことは何ですか?とよく聞かれますが、自分がやりたい仕事なんてそこらへんに転がっているわけがありません。よほど突き抜けた能力を学生時代や子供時代から発揮していたりしない限り、転がっている仕事は、やりたいような感じに近い仕事しか転がっておらず、実際にやってみたら、全然自分がやりたいことと違ったなんてことは往々にしてあります。

やりたいことってなんでしょうか?「働きたくない」という思いが頭にある以上、前向きな気持で職業選択ができるわけがありません。やりたいことは「働くことを強制されずに、テクノロジーの恩恵を享受しつつ、自分の感情の赴くままに時間に縛られず行動する。」ということでしょうか?なかなか難しそうですね。

自分がやりたい仕事をジャストフィットでやろうとするには、やりたいことを追求するアーティストにならなければなりません。しかしながらアーティストといっても、生きていくためには売上を考えないといけないので、結局のところやりたいことが出来ているか?といわれると実はそうではないのです。

結局のところ、耐えられないほどの「嫌いなこと」を避けつつ、報酬と引き換えに求められる成果を出すために「不得意なこと」より「得意なこと」を多く提供しながら、楽しいと感じた「好きなこと」をできるだけ取り入れていく、という立ち回りで仕事というものを行わないといけないのだと思います。

DanielBrachlow / Pixabay

適性を認識できたら行動計画をたてる

適性を分析するなら深く考えておこう

適性検査や性格診断やその他自己の特性を測るものは、あくまで素質や志向を見るものであって、具体的なツールを使っての制作物、身につけているテクニック、何より自分の今の気持ちなどは測れません。オレってば〇〇なタイプなんだよね〜で終わっていては、せいぜい薄っぺらい雑談の肥やしにしかなりません。具体的な行動と負の感情にまでイメージを落とし込んで適性を判断しないと、実際の業務をやってみると辛い毎日になってしまいます。

そう、最初に仕事をするうえで、「得意」や「好き」を軸に仕事を選択するから仕事選びに失敗するのです。なぜなら、実際の仕事では「得意」や「好き」なアクションとセットで「不得意」や「嫌い」なアクションがブレンドされてしまっているのですから。

適性を受け入れて仕事をコントロールする

成長のためには苦手なことを乗り越えて行かなければならない、みたいなことが言われていますが、苦手なものはいつまでたっても苦手です。もちろん訓練でなんとかなる範囲のこともありますが、仕事は一人で行うものではありません。周囲の人間との競争比較が必ず発生します。自分が1時間掛けてできることを他者は10分でできる、ということは往々にしてあります。逆に他者が1時間かかることを自分は10分でできる、自分は同じ時間で高いクオリティのものができる、ということもあります。

自分1人で何もかもしないといけないのなら苦手なことも乗り越えるというのは正解でもありますが、ビジネス社会というのは効率化された状態の社会なので、非効率なものは基本的になくしていくか、他者に委ねて行くかということが必要なのです。というしに、そういう形に持っていけないと豊かな生活には向かっていけないのではないかと思います。

不得意なこと、嫌いなことはやらないで済むように手を打っていく

だから、適性を見直して明らかに自分の能力の中で不得意なことや嫌いなことは避けたほうがいいです。成果も出にくいですし、そのことによって自尊心も失われたりして楽しくありません。仕事で満足いく成果が出せない、必要以上に頑張らないといけない状態というのは辛いものです。仕事を選ぶとき、部署の移動があるとき、今より適性を発揮可能な環境にできるよう、今一度適性を見直して具体化しましょう。そして、足りない能力があるなら勉強するなどして補完する、行動を起こすべきなら転職や独立する、など次の一手を考えていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました