衣服の管理が気になるが
環境は変化します。
環境の変化によって住まいで過ごす時間が増えることで、これまで気にならなかったことも気になるようになります。例えば、衣類。クローゼットの中にパンパンにしまい込まれた状態になってはいないでしょうか。
部屋がとてつもなく広ければいいですが、ワンルームや自分の部屋で考えると置ける服は実はかなり少ないのです。部屋にクローゼットがあったとして、そのクローゼットだけで完結しようと思うとかなりの衣類精査が必要です。
最近着ていない服、圧縮されて何が入っているかよくわからない服、気になったタイミングが整理するチャンスです。しかし、不要な服を捨てていくことは思いの外大変です。
ポイポイッとゴミ袋に入れていけば10分もかからず捨てられる気がしますが、実際はそう簡単にいった試しはありません。結局面倒臭くなって年末やろう、来年やろう、でいつやりますか?
捨てるのは難しい
服を捨てるのは大変です。服だけでなく、ものを捨てるということは大変です。場合によっては費用も必要です。にもかかわらず無駄なものを買ってしまいがちです。そうして、いつのまにかクローゼットや住まいはパンパンになってしまいます。
クローゼットがパンパンになっても、服を捨てるのは色々考えることが多くて辛いから捨てることができないものです。それでも、いらない服を捨てて住まいを整理したい欲求は頭のどこかでモヤモヤしています。
もちろん何も考えなければ、捨てるのは簡単です。しかし、何も考えないということはないでしょう。よほど経済的に余裕があったり無頓着でなければ、捨てるときには少なからず考える必要があると思います。
悩む時間がもったいないので、服を買い直すくらいの勢いで全部捨てるのが手っ取り早いですが、経済的にこの決断はおそらく難しいのではないでしょうか。
だからといって、服を捨てることに悩んで大切な時間を消費することは無駄ではあります。その時間があれば、他の楽しいことに時間を割くことができたでしょう。かといって、今の時間を惜しんで服を捨てることを先延ばしにするのもまた違います。
1回だけイヤな気持ちを奮い立たせ
1回だけイヤな気持ちを奮い立たせて服の整理をしましょう。貴重な休日を何日か使って、ウンウン悩んで服の整理をしましょう。ストレスの少ない衣類管理の第一歩の非効率は諦めるしかありません。
1人では難しければ、誰か協力してくれる人にお願いして自分がどうにか行動できるようにします。思い立った衣類整理に取り掛かることがないままにならないようにします。最初の行動にはかなり工夫が必要です。
そして嫌な思い出を心に刻み込んだら、今後は日々のちょっとしたストレスから解放されるために、住まいでの過ごし方を少しばかり替えていきましょう。服を捨てる捨てないで嫌な思いをする日々から脱却することを目指します。
ストレスを感じる日々から脱却するために、日々の衣類管理で守らないといけない大事な衣類管理のルールが2つあります。気持ちを奮い立たせて衣類を整理したあとは、衣類管理の2つのルールを遵守するようにして過ごします。
これから守るルール:1
1つめは、不要な服は買わないこと。これに尽きます。そうすれば、服を捨てるのは服が消耗したかどうかだけが判断基準になるので思考がシンプルです。普段着る最低限の服だけ持っている状態です。当たり前ですね。
服を買うときは徹底的に考え抜いて服を買います。自分にとって本当に必要な衣類だけを持つのです。自分の体型をはじめ、気分の向上、自分の生活での利便性、体温保持…etc自己分析が必要です。
不要な服がないということは、衣類管理において思考を働かせる際、交換するかどうかという思考だけです。そして、判断基準は消耗したかどうか。電球やトイレットペーパーを取り替えるのと同じです。
すべてが必要な服だけになったとしたら、服を捨てる理由は消耗したかどうかの1つだけになります。それだけを見極めればいいので、思考がシンプルです。消耗レベルが一定に達したら捨てる。
穴が空いたりツンツルテンになったり色褪せした服は捨てることに悩まないでしょう。どの程度使い切るかという基準だけなので、使い続けるかどうかだけを自分に問えばいいです。迷うなら捨てない。それだけです。
これだけの判断であれば管理がかなり楽になります。
これから守るルール:2
2つめは、服を買うときは、必ず買う数量と同じ数量の衣類を、買った時点で捨てるということ。服を買ったときに、服を捨てないから服は増えていってしまうのです。当たり前ですね。
しかし、その当たり前ができていない。1枚2枚のうちはいいですが、チリツモは恐ろしくいつの間にか把握できない量になっていってしまいます。そして、使いにくいと感じた衣類は次第にそこにないものとして感じ始めます。
実際にはあるのに、脳が捉えられない状態になってきます。脳は衣類がないと感じているので、また衣類を購入するという流れになります。そして、脳が捉えられていない目に見えない着ることのない服ができてきます。
部屋に服を持ち込んだ時点で、古い服を捨てないと、捨てる機会はなかなか訪れないのです。鉄は熱いうちに打てといいますが、服を捨てるのも熱いタイミングは服を買った直後です。
このタイミングを逃すと、不思議と使えないはずの服も奥へ奥へ追いやるだけで捨てようとはしないのです。思考することを自然と避けるからです。意識がクローゼットからは遠い状態です。
この状態を回避するために、購入したら捨てるを守って、クローゼットで管理する衣類の数は固定するのです。あらかじめ、クローゼットなどの想定スペースに収まっている状態を維持します。
決めた保管量を増やさなければ、住まいに衣類が溢れることはありません。単純な算数です。
ルールを守る生活
これら2つのルールを意識して、これからの行動として重要なことはストック買いはやめるということです。もちろん、必要とするタイミングに安いことは大歓迎ですが、今いらないのに安いからといって買うのは禁止です。
ストックはいりません。同じような機能の複数スペアは必要ですが、新品のストックは必要ありません。新品を買ったときは、今ある同じ種類のものは捨てるときです。新しい下着を買ったら、すぐさま古い下着は捨ててください。
そして、もし衝動的に服を買ってしまっても、それはそれでOKです。買ったこと自体は大目に見ます。しかし、ルールは守ります。今ある同じ種類の服は捨ててください。ブルゾンならブルゾン、インナーならインナーです。
もちろん、捨てることは簡単ではないことは承知しています。1着ぐらい・・・と捨てるのをためらうことは簡単に想像できます。自分もおそらくそうでしょう。だからこそのルールなのです。
自分の習慣に2つのルールが浸透するまでは、苦しみながら服を捨ててください。しばしの辛抱です。次に服を買うときに活かせるように苦しみを刻み込んでおきましょう。
迷ったら、好きか嫌いかで服を選んでください。使えるか使えないかではありません。捨てる候補に入ってくるということは、さほど使えていないのです。明らかにヘビロテしているものは、消耗していない限り捨てるという選択にならないはずです。
一見簡単そうな捨てるという行為
どうして、服を捨てるという一見簡単そうな行為が難しいのでしょうか。それは、決断力を消耗するからです。人それぞれ1日に使える決断力は限られていて、決断力が不足した状態になります。ゲームでいうと、RPGのMPのようなものでしょうか。
しかし、服を捨てるという行為ごときになぜ決断力を大量に使わないといけないのか。それは、人間の「失敗したくない」「失いたくない」「もったいない」という感情が強い抵抗として働くからです。
また、一般的な価値観として、ものを大切にしないことは悪という価値観があります。ものを軽々しく捨てるということは、経済観念が乏しい人間である証明のような気がして、罪悪感が強く襲ってくるのも理由です。
祖父母の影響などもあるのではないでしょうか。使い古した衣類もツギハギなどをして、大切に大切に使い切る。新品はここぞというハレの日に取っておく。そういった姿を見て育った人もいるかもしれません。
もちろん、ものを大切にしようとする感覚自体は持っておくべきものなのですが、片付け整理の際には裏目に働いてしまい、服を捨てるという行為を実行できない理由となってきてしまいます。
捨てるときに確定して実感する
私たちが、ものを捨てるタイミングで、捨てようと決めたものは「いらないもの」と脳内で確定します。すると、この時点で自分が無駄遣いをしたことを認めることになるのです。いらないものを買ってしまったと。
不思議ことに、実際に無駄遣いをしたと強く実感するのは、「無駄遣いをした~」などと言ったりする購入時ではなく廃棄時なのです。これを思考の後払いとでも言っておきます。
そうして、罪悪感から逃れるために、我々はついつい「いらないもの」という脳内確定から逃げてしまいます。自分の愚かな罪を認めたくないがために捨てるという行動を選択できないのです。
失敗したくないという思いは強く、もし捨てた衣類が必要なタイミングが未来に来てしまったとき、これは賭けに負けたような何とも言えない悔しさを感じることを恐れてもいます。
また捨てた服と同じものが必要になったときに、手に入れられる場所はないかもしれないし、お金がないかもしれない。私自身、服を捨てる際はもしもう一度買う必要が出てしまったらどうしよう…と考えてしまっていました。
必要以上に恐れる失うこと
なんとなく、買うときよりも失敗が許されない気がするのです。実は錯覚なのですが。失敗したとしても、また買えばいいだけのことです。買う失敗は恐れないのに、捨てる失敗は必要以上に恐れるのです。
人間の特性として、物を減らすより、物を増やすほうが、リスクが少ないと感じるようにできています。だから、人は物を捨てないことを選択しやすいのです。
この抵抗力と闘いながら、捨てるという行動を実行するため、買ったときの金額はさほど高くなくても、捨てるときには必ずエネルギーを必要とします。人によっては、悩んで悩んで大切な時間を多く消費することになってしまいます。
それゆえに、捨てるという出来事はできる限り避ける仕組みを作り上げることが重要です。
廃棄のオススメタイミングはエネルギーの高いむしゃくしゃしているときです。過去の着用実績を思い出して悔やむような感情を抑えつつ淡々といるいらないを選択できる、いい意味であまり脳みそが働いていないタイミング。
どうしても捨てられない
でも、どうしても捨てられない。わかってはいるけど捨てられない。というものもあるかもしれません。そういうときは、服との距離が近いことが原因です。いったん距離を置きましょう。
距離を置くことで冷静にその衣類たちの価値を見極めるのです。不思議と目に見えないところに行くと、結構どうでもよくなるのが不思議です。距離を置いても忘れることがなく、心に強く残っているものはきっと必要なものです。
そして逆に、心に残っていないものは、すべて不要ということです。きっと、誰かが代わりに捨ててくれるとしたら、とくに問題ないでしょう。忘れているのですから。
どうしても捨てにくいけど部屋には置いておきたくない、という場合はトランクサービスを使ってみるのも一つの手かもしれません。毎月駐車代を払うような感じです。サマリーポケットやトランクサービスで検索すると出てきます。
預けた服には毎月保管料がかかるのですが、保管料がさほど高価ではなかったとしても、毎月保管料を支払うだけの価値がその服にあるのかどうかを肌感覚で考えることができるのでよいかもしれません。
新しく買ったほうが安い、毎月お金を取られるのは馬鹿らしいという気持ちになればしめたものです。
頻度は低いが持ってないと困るもの
あまり着ないけど持っておかないと困るものといえば、冠婚葬祭の礼服、喪服などです。新たに買おうとしてもサイズ合わせなどが面倒です。収支上はよくなかったとしても、こういったものは保管し続けてもよいでしょう。
といっても、年月が経ちすぎると体型も変わったりしていて、結局買い直しに走らないといけないこともさもありなんなので、結婚ラッシュなどが落ち着いたら潔く捨てて、インターネットなどですぐ購入できる準備さえしておけばよいとも思います。
とはいえ、これまでの体験として、捨ててしまったあとに「置いておけばよかった…」と思うこともあったことでしょう。その体験をしてしまうと、たしかに服を捨てたことが失敗したように感じます。
しまったと思ったときに捉え方を変えてみる
しかし、それは捉え方を変える必要があります。その後悔は、実際に捨てるという決断をしたからこそ体験することができたものと捉えましょう。前に進んでいます。確実に。
「しまった~」という感情は強く残るので、衣類を捨てる=後悔という記憶が残っているかもしれませんが、冷静に思い出します。捨てたものの数のうち、後悔したものの数はいくつか?と。%で考えてみたら、高い確率でしょうか?
仮に、捨ててしまった後に後悔したとしても、別になかったらなかったなりに日々を過ごすのが人間です。どうしてももう一度似た服が欲しくなったとしたら、自分の生活にその服は本当に必要なものと判断することができます。
後悔したものの、さほど困らなかったり何かで代用できると感じたものなら、それは不要だったものです。考えてから捨てるというより、捨ててから考えるという進行ですね。本当に困る場合もありますが、てっとり早いです。
もう一度似たようなものを購入するときは、お金がもったいないと感じる面はあるかもしれませんが、これは必要経費として考えます。もったいないと感じるなら、次服を買うときに気をつけます。
捨てない理由を和らげる
買ったときの金額分を着用した気がしない。買って1回も着てない。ということが気になっているとします。この気持ちの処理の仕方は、1回も着てないことに対して気になるなら、最後に部屋着にすることで1回だけ着てお別れします。
ここで、部屋着はもったいないと感じるのに、外出着として明日来ていくことにためらうという場合は、買ったときの金額分着用することはもうできないものとして考えて差し支えないでしょう。
明日着ていくには気合が入りすぎだったりするのかもしれません。ここぞというときには他のお気に入りやカッコイイイ無難な服があって出番がない理由があったのかもしれません。
そういった立ち位置の服は、なかなか出番がないのです。その服だけを見たら、捨てるのにふさわしくないものだったとしても。衣類のレパートリーのなかで比較すると負けてしまうのです。
あなたの身の回りにいらないものを喜ぶ人はいない
それでも、やはりまだキレイで使えそう。誰か欲しい人がいれば…と感じることもあるかもしれません。すぐ譲れるなどなら一考の余地がありますが、次のアポイントメントまでに何ヶ月も保管しておく必要があるなどなら、さっさと捨てます。
自分もいらないものは、他の人もいらないもだと考えておきます。
自分が物を譲れる間柄の他人といえば、自分の価値観に近いものを持っていたりします。ということは、自分が好きなものや使えるもの、嫌いなものや使えないものは、物を譲る間柄の他人も同じ傾向にあるということです。
友人知人関係というものは、外見から入っていることが多いので、不思議と身の回りにいる人のファッションのタイプは近くなることが多いものです。捨てるかどうかを悩んでいる衣服があるのは自分だけではないのです。
その友人知人たちも捨てるかどうか悩んでいる衣類があるのだと心得ておきましょう。不要な衣類がない状態までになっている人なら、なおさら自分で吟味していない衣類は不要と感じるはずです。
仮にあげたときに、積極的に受け取らない場合は、だいたい不要と感じられています。グイグイ押して受け取ってくれたとしても、相手はきっと困っています。
迷惑をかけないために、同じことを繰り返さないためには、捨てるしかないのです。自分自身で。苦しい思いをして。