ポートフォリオに込めるもの【職業訓練を受けてみた:その5】

就職活動のために作品を用意する

制作物はこういったもの

上記のようなことを、それぞれのソフトで行い一通り説明も終わったら、いよいよお待ちかねの実制作です。制作物としては

名刺
ポスター
CDジャケット
チラシ
ダイレクトメール
三つ折りリーフレット
雑誌見開き広告
新聞広告
…などがありました。

制作の課題は受講する学校によって違うと思うので、あくまでイメージ補助としてお役立て下さい。そして、それらの課題に先生がテーマを与えてくれるなどして、制作をしていく流れになるかと思います。制作時は、実際に仕事で納品前に使うようなフォーマットのデータにして制作していきます。

テーマは、何かしらの商品広告だったり、少しクリエイティブなテーマだったり、「テクノロジー」や「エコ」などの縛りがあったり、自由だったり、これは講師の先生によるかと思います。

制作していく授業の風景

ポチポチポチ…

パチッ…

「ヒャァァァァ!止まったぁ~!」

…ザワッ…

「先生、何かコピーできないんですけど…」

…ザワワ…

「先生、付き合ってる人はいるんですか?」

…ざわわ…

察するに、始めてこういったことをやる人達ばかりなので戸惑っているようでした。かくいう私は、やはり眠気との闘い、集中力を高めて制作に取り組みます。ひたすら、何パターンか作っていると眠気も起こらずにいい感じです。ハイスピードでどんどん作っていきます。(自分の体感)

大学時代に何となく身につけたタイピングがカタカタカタカタと吠えます。実はデリートキーを結構押しているとは誰も思わないでしょう。だって顔つきは真剣でしたから。

制作物がひとつできるたびに

そして、制作物ができたと思えば先生にみてもらって、色についてや、レイアウトの揃えるポイントを指摘してもらったりします。

後で、みんなで作ったものを見せ合ったのですが、同じテーマでも人によって違う視点で作られていて面白いと思いました。そんな中、自分の作った物は雑だなぁと思ったりしていました。

ポートフォリオと就職活動へ向けて考える

授業で作った制作物はポートフォリオに

授業で作った制作物は、最終的にポートフォリオにまとめることになります。

ポートフォリオ制作もある程度の段落を終え、クラスのみんなでお互いに作ったポートフォリオを見せ合い、意見などをもらっていたとき、ある人のポートフォリオだけかなり多くの作品数がありました。

な、何ということ。3ヶ月の間に授業が終わった後、自分でこれほどの数の作品を作り上げていたというのだろうか!私が色々うつつを抜かしている間にデザインをするという行為に集中していた人に、これほどの差をつけられていたとでもいうのだろうか!

・・・

その人は以前から、デザイナーの知人の手伝いをちょこちょこしていたらしいのでそれほどの作品数があったのです。

ホッ…(安心してはいけません。休んでいる間に誰かは進んでいます。)

まあ、そういった場合は別として、何もないところから始めた人は制作物の数が少ないと思います。与えられたテーマをしっかり作りあげるということが3ヶ月の目標となるでしょうか。

ポートフォリオ作りは忙しくなりがち

作品も一通りできた後、ポートフォリオとして、1つのアルバムにまとめます。これまで制作してきたものを統一感のある本のようなものにしてまとめる作業です。

これが、割りと大変な切羽詰まる作業なのです。ポートフォリオ制作として、与えられた講義時間に表紙や見出しなどのデザインを考えていくことになりますが、3ヶ月の訓練講座ではそこまで凝ったことはできません。授業外の時間も考えれば、出来ないこともないとは思うのですが、講座では出来ないことを前提に話を進めます。

そして、ポートフォリオの中身としては順番をどうするか、見せ方をどうするかですが、自信のあるものを前に持ってきて最初の印象を強くするか、作った順番に見せていっての成長を見せるか、カテゴリ分けを分かりやすくするのか、などの見せ方があると思います。

訓練では、課題が実際の制作物形式でカテゴリ分けされているようなものなので主に見せる順番を考えることになるでしょう。

しかしながら、この構成を考える段階でもすべての作品ができていないという人もちらほらいました。また、作りきっていても、最初のほうに作ったものはどうしても完成度が低いので作り直し(ブラッシュアップ)に時間を割く必要があったりします。

なので、とても切羽詰まることになります。私も切羽詰まって、自己史上最速のタイピングとマウスさばきを発動した覚えがあります。記憶は美化されているかもしれません。

予習などを行っておくと、授業の最初の方は余裕があるので、そのうちに、ポートフォリオについては少しずつ考えておいたほうが、あとあと楽になると思います。

見てもらうことを考えて

第一印象を出来るだけ良くするため

最初に見るページには、なるべく自信のあるものを置いておく必要があるのではないかと思います。これは、ひと目見ただけで、閉じられることがないようにするためです。できるだけ次へ繋ぐという考え方です。

しかし、雇用主によっては忙しくてもしっかり全部見るという人もいるので、これも自分がこういうテーマで、自分だったらこうだった方がいい、という類のものでしょう。

制作を仕事にするといっても色々な仕事場がありますので自分が応募しようとする所によって適切なものを判断することになります。とどのつまり、応募する所次第なのです。

ポートフォリオのサイズや数は

ただ、一つの目安として、相手側にとって保管のしやすさ、自分側にとって持ち運びのしやすさなどからA4やA3のクリアファイルなどを基本に考えていいと思います。

応募時に必要なことを考えるとベースはA4が扱いやすくていいでしょう。せいぜい3ヶ月受けた程度ではクオリティもまだまだなので、A3で用意する必要もないでしょう。昔からあるような所だったり、面接などであればA3で作ることでプラスになることはあるかもしれませんが、基本はA4で十分でしょう。形式よりも、中身が大事です。

応募時はURLで確認できるのなら、ポートフォリオサイトを作って載せておいてもいいでしょう。数多くアタックする場合は、郵送する手間が省けます。面接時にポートフォリオの別パターンを用意するのもいいかもしれません。多少なりともインパクトを与えることも大事でしょうから。

そして、載せる数なのですがポートフォリオに載せる作品数は多すぎても少なすぎてもいけません。煩わしくない程度といった所です。訓練生であれば、授業で制作した分と自宅で制作したものを全部入れても丁度いいくらいだと思います。おそらく選別するほど数を作れないので、「作ったものはすべて最大限よい状態にする。」というのが訓練でのまずまずな着地かと思います。

これらのことは、訓練の先生も話してくれることだとは思うので、不安なことや構成など相談しながら自分を最大限アピールするものを作っていけばよいのではないでしょうか。

就職活動という競争へ向けて

競争が待っている

ちなみに、色特性といっても、アーティスティックな表現という意味ではありません。なぜ、そう言うかというと、訓練を受けたのち、さらに技術を磨くため本格的に学校に通うとかなら、どうかはわかりませんが、3ヶ月の訓練だけで、何かしら制作する仕事に就こうとするなら、それなりに大変だからです。

就職活動になれば、経験者や隠れた逸材との広い闘いになります。美大生や専門学生もライバルになります。単純な年月だけで考えても単純な制作技術、表現力で分が悪いということは頭に置いておく必要があります。

若い頃からやっていないので、必要以上に劣等感を抱く必要はないものの、吸収力みたいなものはやはり劣っていると考えておくのがベターでしょう。

気持ちの面では

想いなら負けていないと感じられるようにすると、考え方や人柄を重視する雇用主もあるので、確率は少なからず上がると思います。

しかし、想いがあると、変に頑張りすぎて、多くのことに手を伸ばし過ぎたりします。逆に捨てる所は捨てるといった割り切りも必要になります。そうでないと、限られた時間で進めなくなります。とは言うもののバランス感覚がなかなか難しいですけどね。

現実的にポートフォリオの着地点としては

状況は人それぞれで、家庭を持っている人もいるわけだし、なかなか、時間を避けない場合もあるでしょうが、それでも、制作物が少ないのは判断材料が少ないということになるので、自宅にソフトを用意したり居残りするなりして、課題以上に作ることは大切です。

もしくは、作った課題のブラッシュアップに時間をかけできる限りのクオリティを高めておくなどは欠かせないでしょう。もちろん、できれば、両方したいところです。作品の数としては授業数でも足りなくはないのですが、方向性や自分の色特性を出すために作品を余分に作る作業は必要だと思います。このとき、具体的に行きたい場所があれば力を入れて作りたいものや自分で独自に作ってみたいものが出てくると思うので、求人サイトを色々探したりしてみましょう。

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