2年で退職する飲食業の若者

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自分に足りなかった情熱

しばらく働くと気付くことがある

1年半したあたりから、強く実感したことがありました。仕事で満足いく成果を出す為に、何より必要不可欠なものは情熱だということを。そして、自分にはこれが足りていないということを。人に動いてもらうということがマネジメントであり、主な仕事になるわけですが自分に情熱がないと、なぜやって欲しいかということが出てきません。ルールだからやってくれ、というしかないのです。

あくまで傍目の推測ですが、自分が尊敬する上司や同僚にはこの情熱がみなぎっていました。そして何より楽しそうでした。もちろん、嫌なこともあるでしょうしどうにも気分が乗らないときもあるでしょう。しかしながら、行動だけを見ていくと着実に結果を出していってるな、と思いました。心のなかで言い訳ばかりしている自分とは大きな差があると感じていました。

率直に情熱が欲しいと思った

情熱なくしていい仕事はできないもの。だらだらと仕事して、だらだらと経験年数を稼ぐことは避けたいと思いました。そして、情熱が足りない理由は何だろうと。行動が伴わないのは何故だろうと考えました。それは、自分がやりたいことはこれではない・・・!という思いに逃げてしまっていたことでした。本心の部分でやりたいことは決まっていたのでした。

店舗業務の一つとしてPOPを作ったり、掲示物を作ったりしているとき妙に楽しいのは抑えていた好きな使い方をしているから…売上を上げるなどの目的のため何かしらのものを作ったりすることが楽しかったのです。考えることイメージをカタチにすること人を楽しませること、これらのことが楽しいということを認識することができました。

こういったことに関してであれば、時間を問わず働くことができていましたし、細かいことを考えずに済んでいました。

自分の思いに気づいたことで

もやもやの原因をどうにかしようとする

これらのことを仕事にしたい。そう思いました。このときはハッキリとどういったことがしたいとは具体的にはよくわかっていませんでしたけど。ただ、自分の気持に嘘をつき続けていたことは理解することができました。自分に嘘をつく。 それは心のどこかでモヤモヤします。

もともとは、「プランを考える」「分析する」「改善する」「蓄積する」こういったことに興味があったので、企画や広報での就職活動をしていました。しかし、上手く行かなかったために、アルバイト経験のあった飲食に逃げていたのでした。

そんな、謎のトラウマからやりたいことに真っ直ぐ向き合わず何となく行動するということを選んでしまっていました。結局スタートに戻ってしまったというわけです。そういった内向的な作業がカッコ悪いと思っていましたが、今思うと貫くことはカッコいいと思います。単に忍耐というものが足りないのかもしれないですけどね。

そして若者は2年で辞める

よく耳にする社会に出て2、3年で辞めてしまう人。その中の1人にはなりますが、たとえ間違った選択だとしても、やりたいことをやらずにただただ、愚痴を吐くだけにはなりたくありません。それに、こんなモヤモヤした感情のままでは、間違いなく納得いく結果は出せないでしょう。余計言い訳ばかりするはずです。

ただ、せっかく飲食業で勤めたから調理師免許は取っておいてケジメにしよう。正直この勉強は無駄な気もしましたが、得るものは得たよ…と分かりやすく周囲の人を納得させる材料の一つとして。もともと2・3年で辞める予定ではありましたが、調理師免許の受験条件と、飲食での勤務を続ける気がないのなら退職はできるだけ早い方がいいと考え2年いっぱいで辞めることにしました。

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退職の意思を告げる

職場の通例のなかでも言ってみること

繁忙期を終えた頃、 私は退職の意思を伝えました。このとき1年7ヶ月目。私は、2年いっぱいで退職することになりました。上司の方や同僚やアルバイトスタッフ、おそらく思うところもあったでしょうが暖かい言葉なども頂いたりして、とても申し訳ない気持ちにはなりましたが、退職の決意を固めていきました。

そして、最後の1ヶ月の半分は消化していなかった有給をいただきました。職場の通例としては有給は消化せずに、給料で支払ということが多いとのことでしたが、1カ月の給料が少し多くなるよりも、自由な時間の方が私にとっては価値が高いので交渉をしてみました。

きっと普通にしてたらもらえない流れなのでしょうしおそらく”空気”にやられて言うことすら怪しいでしょう。勤務していた会社としては有給の払い込みなどのシステムや福利厚生などもしっかりしていたのですが、そうではない会社の場合、知識を持っていないと、言われるままに損をしてしまう、そんな悲しい側面も社会にはあるんだろうな、と思ってしまいました。知っててあえてならいいですが、知らないことは怖いことです。

有給消化中の間にやっておくことを終えて

そうして、その有給の間、会社員としての肩書きのあるうちに引っ越し手続きや信用が必要なことで済ましておいた方がいいことを済ませました。有給を消化できないと、こういった部分がとても忙しいだろうと思います。

安定した収入のない無職になってしまうと、マンション契約や銀行口座開設などの審査が通りづらくなってしまいますので、賃貸契約やクレジットカードの契約は、社員としての肩書があるこのときにしておく必要があります。

そういった手続きを終わらせつつ、これまでの反動か、うっぷんを晴らすかのように好きなゲームをやり倒しました。そして、有給期間を最後にゲームから卒業することにしました。それは、単純に勉強をする時間を増やさないといけないからです。誘惑に負けてゲームをしてしまわないよう知人に預かってもらうことにしました。

そして、有給の1ヶ月が過ぎ引っ越しも完了し、お世話になった人たちに軽い挨拶も済ませ店舗を後にしました。長かったようで短かった飲食業ですが、こうして方向転換をしました。疲れていたのだろうか。 心が悲鳴を上げていたのだろうか。それからの期間はとても楽しいひとときのブレイクタイムになるのでした。

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