オリジナルのアイデアを出すのは後でも大丈夫。まずは前例を踏襲せよ。

アイデアマンかそうでないか

アイデアマンかそうでないか

あなたは、アイデアを出すのが得意なタイプですか?それとも苦手なタイプですか?仕事のやり方や課題解決の方法を考えるような機会に出会うこともあろうかと思います。

アイデアを出すのが苦手と考えているタイプはおそらく自分の頭だけで考えることはせず、過去の事例を参考にしたり、何かの真似をすることから始めるのではないでしょうか。

逆にアイデアを出すのが得意と考えているタイプは、溢れるアイデアを試したくて仕方ないので、自分のアイデアを実現可能なものに深堀りしていこうとするのではないでしょうか。

オリジナルを考える前

オリジナルを考える前

色々アイデアを出す癖がある人に伝えたいことがあります。それは、真似をすることから始めほうがいいということです。アイデアが思いつくタイプだからこそ、すでにあるアイデアを真似をすることから始めたほうがいいです。

アイデアは1から考えずにすでにあるものをまず使うほうがいいということです。ルールでも、計算用ファイルでも、デザインでも、プログラムでも、何でも。

なので、まずは探しましょう。なにかアイデアを形にする機会があったとしたら、1回目は何かを参考にカスタマイズしていくことをおすすめします。流用できそうなアイデアを探すのです。

効率の観点

効率の観点

真似をすることから始めたほうがいいのは、率直に楽だからです。仕事で一番時間を食いつぶす要素は考える部分です。すでにある形をもとにして考えれば、時間を食いつぶす考える時間を削減することができます。

また、何かを参考にすると決めることで、考える部分を省くことができ、行動が早くなります。職場でもどこでもコミュニティを見てください。行動が早い人は反射で動いています。あまり考えることに比重を置いていません。

ただし、その場では考えてないのですが、日々の練習や鍛錬、経験であらかじめ前もって考えているので、いざ動くタイミングで時間のかかる考えるというアクションをしなくて済むのです。

スポーツでは思い当たることがあるでしょう。あらかじめ練習しておかないと、秒で対応することはできないはずです。対戦ゲームでもそうです。あらかじめ練習した引き出しが、咄嗟の戦いに活用されているのです。

アイデアを真似する場合は、このあらかじめ練習したような効果をもたらしてくれます。あらかじめ前もって考えるという行為を、真似をすることで補うわけです。

これから経験するであろうことを、すでに経験した人が考えたことを利用することで経験を前借りすることができます。本来であれば、1日かかるような考える工程を短縮することができます。

経験を前借りすることで、本来であれば経験していないと進めないはずの事態に対しても、とりあえず前に進むことができます。とりあえず前に進みながら、実践的に経験を積むことができます。

1からアイデアを出して考えている人を横目に、その時間を使って前例を踏襲した人は実際の経験を積むことができるのです。実際に手を動かしているうちに理解というものは進んでいくものです。

精神衛生上の観点

精神衛生上の観点

失敗は自身の成長のためにするに越したことはないのですが、別に自分がしなくても良い失敗というものは世の中に沢山あります。他者の失敗を知恵として取り入れることができれば、別に自分が経験する必要はないはずです。

失敗は次の成功するためにするためにあるので、成功できるなら失敗する必要は特にありません。限られた時間で成果を出すということが求められるビジネスシーンでは、過程も大事ですが、結果に繋がる過程が大事なのです。

他の人が補ってくれる失敗は経験せずに、前例がないことに対して失敗をどんどん重ねていくとよいでしょう。参考にする前例が見つからないとき、はじめてアイデアを出す機会が訪れます。

肩肘をはらないという精神状態になれるのも、またメリットです。こだわりが少なければ少ないほどストレスは少ないものです。自分であれこれやろうとするとつついこだわりポイントが多くなってしまいます。

自分が一生懸命作ったものがうまく行かなかったら、それは精神的ダメージとなりますが、他人が作ったものであれば、うまくいかなくても、さほど傷つくことはありません。

もちろん、自分の脳内には他人が作ったものより、より自分に適したすばらしい完成形がぼんやりと見えているのかもしれません。ですが、あれもこれもこだわることができません。

仮にその完成形が実際に出来上がったとして、もし、クオリティを理解してくれる人が周囲にいなさそうだなと日頃の出来事から感じているのなら、そこはこだわっているところではないのかもしれません。

おそらくですが、こだわるべきところはそこではない気がします。

高品質の観点

高品質の観点

流用することから始めたほうがいいのは、品質をできる限り高いものにするためでもあります。

自分のアイデアに自信があるかもしれません。そのアイデアは素晴らしいアイデアかもしれません。ただ、自分と同じような思考回路の特性を持った先人が必ずいます。自分だけしか思いつかないようなことはまれです。

ありがたいことに、自分に似た先人は、自分と同じような課題に出会って、同じような意識を持って、何度か失敗して、すでにアイデアをアウトプットとして完成させてくれているのです。

しかも、先人が用意してくれているファイルやルールやツールの良いところは、稚拙なアウトプットなら普及しないという結果があるので、フィルタ効果を通しているところです。

自分の手元に届くようなものであるということは、アウトプットのレベルも保証されているということになります。クソのようなアイデアは嘲笑のネタにされることはあるかもしれませんが、基本的には広がることはありません。

なぜなら、役に立ちそうにないものを使おうとする人はいないですし、自分はとりあえず使ったとしても、他の人の役に立たないものを紹介する人はいないからです。

少なくとも、自分の手元に届いた先人のアイデアは、自分が直近の仕事に割ける時間で作れるものより、クオリティは高いはずです。または、クオリティが低いように見えても本質を捉えている可能性があります。

オリジナルはいつ作るべきか

オリジナルはいつ作るべきか

すでにあるものを活用して、色々ほころびが見えて、課題がみえて、自分にとって使いやすいところや、使いにくい所が色々掴めてきて、巷に思っているものに近いものが出回っていないとき、その段階で初めてオリジナルを作ればいいでしょう。

この段階まで来ると、自然とたたき台のアイデアを何度も叩いているような状態に達しています。実際に活用してきた中での、イメージが出来上がっているはずです。

たたき台があることで、どこを注力すればよいか、どこを削ればよいか、何が足りないかが明確になりやすいです。あらかじめオリジナルで作ろうとすると、あらゆるものを詰め込もうとして、実際に使いにくいものになりがちです。

何より、構成だったり設計だったり、思考にかなりの時間がかかってしまうことでしょう。

真似をする段階というのは、自分の課題解決の方法として精度の高いものを実現するために、アイデアのたたき台を用意する工程と言えるでしょうか。真似したものに+1できればいい、くらいの感覚でいれば良いと思います。

感覚としては、頭を捻らずに自然と+1できるような感覚です。3分~15分でできるようなちょっとしたカスタマイズです。特に深く考えなくても、+2.+3.+4。。。といくつもアイデアを乗せたくなってきたら、オリジナルを作る必要が出てきている目安になるでしょう。

まあ、実際自分でに形にしようと思ったら、イメージしている時間の見積もりの3倍は少なくとも見積もったほうがよいでしょう。本気で課題を解決しようとしているなら、おそらく作り始めたらどんどん見えてきます。

オリジナルがいいと感じる理由

先に述べたように機能面では、先人がポイントを捉えてくれています。何か違うと感じるポイントは、実はデザインだったりします。色だったり操作感だったり、UIだったり、そういった作り込みの部分で実は不満を感じているのです。

好みは千差万別なので、いくらレベルの高い先人といえども、自分の好みに一致する可能性は少し下がってしまいます。とはいえ、守備範囲の広い先人なら、そこすらも満たしている可能性もありますね。

アイデア自体は優れている可能性がありますが、その具現化や表現が物足りなかったりするのです。すると、どうしても不満が生まれ、アイデアマンタイプの人間はオリジナル欲というものが発生してきます。

オリジナル欲が出てきたとき

オリジナル欲が出てきたとき

また、そういった不満があろうがなかろうが、オリジナルがいい!という衝動がある場合はどうしたらいいでしょうか。

こういったときは、オリジナルを作りましょう。その湧き上がる衝動は抑えられません。抑圧したところで、どこかで必ず漏れ出てきます。なので、一旦しっかりと排泄しておく必要があります。

小学校高学年から中学1年制くらいに手がけてしまうすでに完成しているメーカー品の絶妙にダサいカスタマイズのようなものを速攻で処理してしまいましょう。そして、悔い改めるフェーズを通る必要があります。

ただ、自分にしかわからない課題や悩みを具現化しないといけない場合、汎用的ではない場合、閉ざされた業務に関する作業ファイルの場合、などは、本当にオリジナルが必要な場合もあります。

オリジナル欲を発する自分の声が正しいことも大いにあります。少し面倒ですが、「こだわり」の要素が大きそうかどうかを自分に問いかけてみましょう。

目安としては、出会っている課題が1つで、自分の時間が許すならオリジナルを作ってもよいのではないでしょうか。複数の課題に直面している場合は、すべてをオリジナルすることは厳しいかもしれません。

自分がピンポイントで困っている課題はオリジナルで。汎用的な課題なら先人の知恵や流通品を活用する、もしくは途中までは参考にしつつカスタマイズする、といった対応で課題に取り組んだりしていけばいいのではないでしょうか。

最後に

最後に

私はどちらかというと、自分であれこれと考えるタイプなので、オリジナルのアイデアにこだわっていました。その甲斐あって、考える力は多少はついたような気がします。

しかし、アウトプットの成果としては微妙だったと振り返ってみると思います。

自分のアウトプットの成果を振り返ってみると、当時の自分のレベルと振り返っている今の自分ではレベルが上っているので、当時は一生懸命考えた秘宝でも、今みてみるとただの排泄物です。

とはいえ、アイデアが溢れ出してきたら、どんな排泄物のようなアイデアでも愛着もありますので、実現したくてたまらなくなるものです。後で見返したら、なんでこんなただの排泄物に固執していたんだろう・・というようなこともあります。

ただ、時を経ても同じ答えに戻ってくるものは、自分が成長できていないか、出されているアイデアがすでに正しいものやアイデアの完成形だと思います。時間が経っても排泄物に思えないものは課題解決の方法として本質的です。

先人の知恵を活用できるようなものは、おそらくすんなりできるような気もします。もし、先人の知恵をうまく使えないとしたら、靴のサイズが合わないように、与えられているサイズが自分には適していないのかもしれません。

といっても、時間がないので、かかとを踏んだ状態でも履いて前に進まないといけないなと思えるときは、どうも嫌な感じでもかかとを踏んで歩きましょう。

うまく歩けないときは、きっと腹に色々抱えてしまっているので、なるべく早く欲求というじゃじゃ馬を排泄することが、どうしても通らないといけない道なのです。

急ぎたくとも、その後のパフォーマンスを考えると、トイレにいっておかないといけないときというのはあるでしょう。おそらく、オリジナル欲というのは、そういうものです。

どのくらいなら我慢できそうか、というのを自分に問いかけながら、日々の仕事へ。

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