怒りはコントロールが難しく、できているようで実際のところほぼできないが、それでも対策は必要だ。

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怒りの感情は取り扱いに注意が必要

怒りの感情は取り扱いに注意が必要です。

私たちは日々の生活の中で、さまざまな感情を経験します。喜び、悲しみ、楽しさ、そして怒り。これらはすべて人間の自然な感情であり、私たちが豊かな人生を送るための一部です。

しかし、この中で「怒り」の感情は、他の感情とは異なり、その扱い方に注意を払わなければならないものです。なぜなら、怒りを適切に処理しないと、周囲の人々との関係が悪化したり、自分自身の健康に悪影響を及ぼしたりする可能性があるからです。

私自身、怒りによって適切な行動が取れにくくなってしまうことや、不快な感情に長時間囚われてしまうことを何とかしたいという思いもあり、長期間に渡って意識していきたい事柄になります。怒りの感情のコントロールは自身の課題です。

もちろん、怒り自体が悪いものではありません。時には、正当な怒りが必要な場面もありますし、怒りの感情があることで、物事が前に進んだり難しい課題をクリアできたりとポジティブな面もあります。

上手くコントロールできれば、強力な武器になるのが怒りという感情です。

後悔

しかし、怒りに任せた行動や言葉は、後悔を生むことが多いものです。人間関係を円滑にしようと思う際に、キャパシティを超えないようにする術は持っていないと、誤解を招いたり、ただの怖い人になったり、足元をすくわれたり、パワハラになってしまったり、望まない出来事に見舞われてしまうかと思います。

一度ここで怒りの感情がどのようにして私たちの中に生まれ、どのようにそれを健全に扱うことができるのかを考えていきたいと思います。

まずは、怒りを感じる代表的なケースをいくつかピックアップしてみました。日常生活の中で、以下のような場面で怒りが湧くことが多いかもしれません。

  1. 他人の無礼な言動
    誰かが自分に対して失礼な発言をしたり、無視されたりすると、不快感から怒りを感じやすくなります。
  2. 理不尽な要求や扱い
    誰かから不公平な要求をされたり、期待以上の責任を押し付けられたりする場合、理不尽さに対する怒りが湧くことがあります。
  3. 自己中心的な行動を目撃したとき
    公共の場で列に割り込む人や、交通ルールを無視して自己中心的に振る舞う人を目にすると、強い怒りを覚えることがあります。
  4. 期待していた結果が得られない
    自分が一生懸命に努力した結果が報われなかったり、期待していた成果が出なかったとき、失望と共に怒りを感じることがあります。
  5. コミュニケーションのすれ違い
    話し合いの中で相手が自分の言葉を誤解したり、意見が伝わらないと、フラストレーションがたまり怒りに繋がることがあります。
  6. 裏切りや信頼の喪失
    親しい友人や信頼していた人から裏切られた場合、その失望や悲しみから怒りに変わることがよくあります。
  7. 他者への攻撃や不正な行為
    弱者がいじめられたり、正当でない手段で誰かが利益を得ているのを目にすると、正義感から怒りが湧いてくることがあります。
  8. 予期せぬトラブルや障害
    日常生活の中で、計画していたことが思い通りに進まなかったり、予期せぬ障害が発生したとき、フラストレーションから怒りが生まれることがあります。
  9. 過去の出来事の再燃
    過去に怒りを感じた出来事を思い出すことや、その出来事が再び起こることで、同じ怒りの感情が再燃することがあります。
    これらのケースを通じて、自分がどんな状況で怒りを感じやすいかを理解することが、感情をコントロールする第一歩です。

こういった出来事は、「怒り」を呼び起こします。どれも、社会生活を送るうえで避けることのできない出来事です。それだけ怒りの種は転がっていますが、都度燃えてしまうと楽しい毎日が送れません。

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怒りのコントロール量はキャパシティによる

まず、結論として「怒り」のコントロールはキャパシティ内に収まる怒り要素の量でないと、コントロールすることはできません。当たり前といえば当たり前なのですが、キャパシティを超えてくるようなことは処理できません。

それに、もともと怒りっぽい人と怒りっぽくない人では、怒りのコントロールの難易度が変わってきます。また、真剣かどうか、など思い入れの強さによっても、感情の火が大きく燃え上がるかどうか変わってきます。

つまり、思い入れがあるものに関しては誰しも怒りが起こりやすい状態にあるので、「熱中」したり「頑張って」いるときほど激しい怒りの炎が燃えやすい状態になってしまいます。

誰しも沸点が低いポイントや地雷が存在し、基本的にはその人の熱意ある点が地雷になりやすい点でもあり、燃料が投下されればすぐさま燃え上がってしまいます。

激しい炎は、自然に消えることはないので火元となる原因を取り除くか、鎮火できる材料を用意する必要があります。基本的な怒りの感情対策として、方向性としては以下の3つがあります。

1.燃えやすい状態を作らない
2.怒りの燃料を取り入れない
3.鎮火する方法を用意する

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燃えやすい状態を作らない

まず、1つ目。「燃えやすい状態を作らない」ですが、理想とするのはこの段階の対策となります。

あらかじめ周囲の人間とよい関係性を保っておいたり、人間的に尊敬できる人とだけ付き合うようにする、課題の負荷を掛けすぎないなど環境を整えることやデフォルトの状態を不満などを抱えていない状態にしておくことがベストです。そうすれば、自身のキャパシティの範囲で怒りっぽくない状態にしておくことができます。

キャパシティが大きく燃えにくい人は、過去の成功体験などの積み重ねによる自信の構築だったり、これまでの人間関係が円滑だったり、過去の累積が事実としてポジティブな受け止め方ができる状態だったりします。

そしてこれは、精神を安定させるための土台となる重要な要素だったりするので、そういったポジティブな「自分が納得できる」実績を持っていることが望まれます。

このことは、自分にしっかりと自信を持てている状態とも言えます。逆に、自分にしっかりと自信を持てていない状態というのは、キャパシティが小さく燃えやすい人になってしまいます。

私自身、怒りの深い根本にあるのは「自分に自信がない」という要因を感じています。自分に自信が持てない理由は人それぞれだとは思いますが、私においては1つも望んだことを達成したことがない、というのが足枷になっている状態です。

確固たる自信、根拠のない自信、そういったものを持てないことに対しては、努力を続けるしかないのですが、一朝一夕に手に入るものでもありません。しかし代わりになるものがあります。

それは「余裕」です。目標、期限、資金、ステータス、何かしら余裕があると、当たり前ですが怒りにくい状態になります。どちらかというと、「自信がある」、という状態は「余裕がある」状態の一つです。

ただ、代わりになるものと書いておいて世知辛いところなのですが、往々にして全然足りない状況に置かれていて、「自信」と同じくらい手に入れることが難しかったりすることもあるかと思います。

目標や期限はハードなノルマを課せられていたり、資金は実家の経済状況や近しい人の経済観念が影響大きかったり、ステータスは役職や名声なども運の要素も大いに絡んでくるためにコントロールしきれないものだったりします。

また、目標、期限、資金、ステータス、自信。これらは、互いに影響し合って自身の環境を構築していくために、「自信」と同じく一朝一夕に手に入るものでもありません。

では、どうするか。どうしようもないのでしょうか。先程述べたことの中に手を入れられることがあります。資金やステータスは結果論や運の要素があるので捨て置くものの、目標や期限に関しては手を入れられることがあります。

目標や期限を分解すると、「他者から与えられる目標や期限」と「自分で設定する目標や期限」がありますが、前者が依頼やノルマ、評価制度、など社会生活ではよく出会うもので、後者が自分自身で「やろう」と決めているものです。

特に後者は「●時までに●する」というような内発的動機です。自分で設定する目標や期限といえば、学校や会社で設定したこともあるかと思いますが、他人から誘導されたり言わされているケースも多いでしょう。

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そうではなく、「自分で設定する目標や期限」は、意識的か無意識的かに関わらず自分自身で決めて実現しようとしていることです。そもそも、ノルマに関して、守ろうとするかしないかも実際のところ自分が決めている部分もあったりします。

この「自分で決める」というところを工夫して、燃えにくい状態をつくります。それは、「頑張りすぎていない状態」にする、ということです。

ただ、「自分で決める」というところが曲者です。自分で決めているものの、勝手にやりたいことをやっているだけのケースはいいものの、他者から望まれていることを汲み取って自分が決めたことと思い込んでやっていることがあります。

意識的か無意識的かにかかわらず、自発的ではない頑張りすぎている状態というのは、「ねぎらいの言葉」や「具体的な報酬」など見返りが欲しくなりやすいので、望む見返りがないと自身の感情は炎上しやすいです。

他人の為に必要以上に嫌なことをやっている状態は避けられるとよいですが、所属するコミュニティでの関係性や立場などによって、難しいことも多いのではないでしょうか。

特に細かいことに気づきやすいタイプの人ほど、見えにくい課題にも気づいてしまうため、誰にも理解されないことを抱え込んでしまっていたりします。

冒頭に記載した怒りが呼び起こされるケースは身近におおむねすべて転がっていますが、頑張りすぎていると、情報収集のアンテナが立ってしまい、1~9のすべての事柄に気づきやすくなってしまいます。

しかも、本人としては別にやりたいわけではなく、できることならやりたくないことだったりします。「嫌ならやらなけりゃいいじゃん。」という台詞が聞こえてくるかもしれませんが、そういうわけにもいかない状況になっていたりします。

それでも、嫌なことを無理してやらない、など「頑張りすぎない」ことが大事です。他者評価を前提に外発的動機で動いているのか、内発的動機によって動いているのか、体裁上は前者が正しいですが、実際のところは後者が重要です。

自分勝手にやろうと何だろうと、見え方が良ければそれでいいのです。イライラしている人よりニコニコしている人のほうが、結果的に評価は高くなります。内発的動機で動けているときは自ずとニコニコしてくるはずです。

それに、外発的動機で動いてしまうと、自分の心の中にある「やりたくない」をごまかしながら動くことになるので、自然と「頑張りすぎている状態」になります。内発的動機で動くときは自然と「頑張りすぎない」「頑張っていても頑張っていると感じない」ので見返りを求めることがない、よって怒りが起こりにくい下地が出来上がるということです。

「頑張る」ことは大事です。外発的動機で全く動かない、ということは他人からお金をもらう立場にある以上、やらないのは難しいので、ある程度「「ここまで」と勝手に決めてやることが大事です。

それでもし何か言われたりしたら、そのときに改善するようにすればよいのです。あくまで期待値を上回るような働きは内発的動機からしか生まれません。他者のニーズを無視するというわけではないのですが、他者のニーズと自分のニーズが合致したとき以外は頑張らなくて大丈夫です。おそらく、頑張っても空回るなどして失敗します。

できるかぎりニュートラルな状態、自分の素、好きな自分の状態、が維持できているかを自問自答してみてください。「頑張りすぎている」ときは、おそらくニュートラルな自分ではないと思います。

ニュートラルな状態の自分であることが、自分のなかでは一番燃えにくい状態になるので、まずはニュートラルな状態を目指します。

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怒りの燃料を取り入れない

そして、2つ目。「怒りの燃料を取り入れない」です。こちらは、少しテクニカルな要素になります。私も意識していますが、なかなか難しいポイントだったりします。

当たり前ですが、怒りの燃料になるような情報さえ取り入れなければ、怒りが湧くことはありません。何も見ようとせず、何も聞こうとしなければ、怒りの情報が入ってこないですが、何もしないわけにはいきませんし、大事なことも逃してしまうのでいけません。

どちらかというと、先回りして怒りの発生元をコントロールするような対処法です。自分の怒りパターンがわかってきていて、どういったことをされたり言われたりしたら怒ってしまうかある程度先が読めるとは思います。

特定の人の言葉の返しが腹が立つなら、そういった返しをしてこられないように、自分の言い方や聞き方を工夫する。よくわからない自慢になってきそうな話題は振らない、というようなコミュニケーションになります。

とはいえ、どういった言い回しをしても、自分の体調などによって良い雰囲気のコミュニケーションができないときもあったりするかと思うのと、どうあがいても言いたいことをねじ込んでくるような方もいます。

そうなると、結局のところ怒りがわくような相手とはコミュニケーションをとらない、というのが正解となってきます。単にコミュニケーションをとらない、だとまずいような意見もあるでしょうが、おそらく怒りがわくような状態になっている相手と無理にコミュニケーションを取ったとてよい結果にはならないです。

直接的なコミュニケーションは取らずとも、全体的にコミュニケーションすれば、間接的にコミュニケーションは取れるので、問題はないでしょう。ひょっとしたら、すでにあなたが怒りを感じる相手も同じようにしているかもしれません。

また、情報を受け取る際に、フィルタリングを工夫するのも一つの手です。同じ情報を受け取ったとしても、悪意を持って受け取るのとそうではないのでは、受け取り方は変わってきます。例えば、仕事において自分だけ厳しい指導があったとします。このときに、「自分は期待されているから厳しいんだ。ありがたい。」ととらえるか、「自分は仕事ができていないから厳しいんだ。くそが。」ととらえるかでストレスの度合いが変わってくるでしょう。

まあ、「自分は期待されている。」ととらえてその場を乗り切っていても、「自分は仕事ができない」だけだったときのダメージはなかなかに大きいものです。だからこそ、あらかじめ心にバリアを張るため「自分は仕事ができない」という受け止め方をするのも一つのメンタルコントロール手段です。

ですが、それは逃げです。勘違いだったときを恐れてはいけません。フィルタを設置したら、しっかりメンテナンスして長持ちさせましょう。勘違いに気づくからいけないのです。一生勘違いし続ければ問題ありません。まあ、勘違いに気付けないような人なら、おそらく悩んでいないでしょう。

仮に勘違いしてようが、正しく情報を認識していようが、相手がいいように思うかどうかには関係ありません。結果が出ていればいいのです。人間、ネガティブな時は誰でもあります。ありますが、ネガティブでも復讐心のようなエネルギーは物事を達成するのにいい面がありますが、じっとりとしたネガティブは殻にこもるだけになってしまい、余計に「怒り」の原因を作ることになってしまいます。

基本的に気分がいい時の仕事と気分が悪いときの仕事では、浮かれているなどではない限り気分がいい時の仕事のほうがよいでしょう。気分よく仕事するために、いくらでも自分を騙しましょう。

そのように思えない。例のようなことで納得できない、自分を騙せない、という場合は、自分がしっくりくるフィルタを考えることは必要でしょう。どれだけ意味不明でも大丈夫です。自分がしっくりくることが正解です。「きっと家庭がうまくいっていないんだろう。」
「自分が妬ましいんだろう。」なんでもいいです。

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鎮火する方法を用意する

最後に3つ目、「鎮火する方法を用意する。」です。色々工夫しても、心がざわついてしまうときは往々にしてあります。そもそも、世の中の理不尽はどうしようもないところがあります。そういったときは、燃え上がってきた炎を鎮火する必要があります。

一般的には以下のような対処法が挙げられます。

  1. アンガーマネジメント
    アンガーマネジメントとは、怒りの感情をうまく管理し、冷静に対応するためのスキルを身につける方法です。具体的には、以下のようなテクニックが含まれます。

    6秒ルール:怒りを感じた瞬間、まず6秒間深呼吸して冷静になる時間を取る。
    怒りの原因を分析:何が自分を怒らせたのか、冷静に状況を振り返り、感情の根本原因を探る。
    「Iメッセージ」を使う:怒りを表現する際、「あなたが悪い」という形ではなく、「私は〇〇と感じている」という形で自分の感情を伝える。
  2. 深呼吸やリラクゼーション技術
    怒りを感じた際には、体が緊張しやすく、呼吸が浅くなります。深呼吸やリラクゼーション技術を使うことで、体をリラックスさせ、冷静な判断を取り戻すことができます。
  3. タイムアウトを取る
    怒りがこみ上げてきたとき、その場にいると状況がさらに悪化することがあります。こうした場合、一度その場を離れて「タイムアウト」を取ることが効果的です。その場から少し離れて、散歩をする、静かな場所で休むなどで冷静になる時間を持つ。
  4. 視点を変える(リフレーミング)
    怒りを感じた状況を別の視点から見直すことで、感情の強さを和らげることができます。相手が意図的にあなたを傷つけようとしたのか、それとも何か事情があっての行動だったのか、冷静に判断する。その出来事が本当に重要なのか、時間が経つとどう感じるのかを考えます。
  5. 運動や体を動かす
    適度な運動は、ストレスや怒りを解消するのに役立ちます。運動を通じて体内のエネルギーを発散させ、冷静さを取り戻すことができます。
  6. 怒りの根本原因を探り、解決に向けて対話する
    怒りの原因を自分自身で理解し、必要に応じてその原因となった人や出来事と向き合うことも大切です。感情を無視したり抑え込んだりするのではなく、冷静になった後に、相手と対話することで問題の解決を図ります。
    直接的に解決できない場合は、友人や家族、カウンセラーなどに相談してサポートを得る。
  7. 怒りを紙に書き出す
    怒りが頭の中で渦巻いているとき、それを紙に書き出すことで整理しやすくなります。書き出すことで、自分の感情を客観的に見つめ直すことができ、冷静さを取り戻す手助けとなります。
  8. ユーモアを取り入れる
    怒りの感情が高まったとき、ユーモアの力を借りると、その感情を軽減できる場合があります。自分自身や状況を少し笑い飛ばすことで、気持ちが軽くなり、緊張が緩和されることがあります。自虐でもいいでしょう。

これらの対策は、怒りをうまくコントロールするためのヒントとして役立ちます。重要なのは、感情に支配されるのではなく、適切に対処していくことです。

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ただ、怒りは強い感情なので、なかなか消そうとしても消えてくれません。対策としては、ところてん方式で感情を押し出すしかないです。

怒りの炎を鎮火するポイントとしては、「思考の置き換え」「吐き出し」になる行動を行うことです。例を挙げると下記のようなものです。これらは、私自身が試して多少は効果を感じたものでもあります。本当に怒りを消すことは難しいです。
・ひたすら数字を脳内で大声で数えたりするなど、怒りの思考を邪魔するような思考をする。 
・別の情報や思考を詰め込むために、いったん支離滅裂でも怒りを書き出す。
・怒りを打ち消すほどの恐怖や悲しみ、楽しみを呼び起こし、思考を乗っ取る。

いちばんシンプルでルール化しやすいものは、 「いちにっ、さんしっ!」などと大声で叫ぶことです。思考を数字の羅列で打ち消し、押し出します。また、頭の中で大声で叫ぶので怒りを吐き出している効果があります。取り急ぎ抑える効果があります。

しかし、それでも頭の中にマグマがある状態では、いつまでもイライラし続け、ずっと数字を数えないといけません。落ち着いたタイミングで、マグマを吐き出すために、テキストに怒りの原因を書き出します。

何度も考えてしまうことは、おそらく吐き出しが重要です。自分の本音がその怒りの裏にあります。自分自身に気付きましょう。突発的な対応としては、まずは置き換えにトライ。それが継続して悪感情が続く場合は吐き出しを意識することです。

それを目にすることで、よりイライラが増す場合ももちろんありますが、冷静なときに見返して、原因を把握することができるからです。自分に正当性がある場合は、法的に対処する必要がある場合の材料集めのきっかけにもなります。

それを、整理していくと、言っている意味が分からなかったり恥ずかしかったりすることもあるかと思います。恥ずかしい気持ちがわいてきたら、怒りを消化できるでしょうし、それでも恥ずかしくないなら、それは、冷静になったときに伝えられるようにストックしておきます。

それでも、テキストに書き起こしたとて、今すぐは何も動けない。力関係から従わざるを得ない。など、不服の状況はあるかと思います。すると、苛立ちの炎はずっとくすぶり続け、定期的に再燃してしまいます。

そういったとき、怒りの感情を打ち消すには、別の強い感情をぶつけて上書きするなども必要です。自身の性格にもよりますが、悲しみや恐怖が有効な可能性が大きいです。

おそらく、怒りっぽい状態の人は、自分に自信がないことが多いので、むしろ恐怖に支配されやすいとも言えます。呼び起こす恐怖のレベルを上げるような対応が必要です。

例えば、会社で正当な評価がされないから出世できない、という恐怖があったとき、そうではなくて、このままではクビになるくらいだ、とあえて悲観的に考えておきます。この時大事なのは、そこまで本気で思いこまないことです。

本気で思い込む状態のときは、むしろ体や思考が硬直し逆効果となります。今恐れていることよりもさらに下のレベルの不幸を想像することが大事です。家族の笑顔を失うことになるかもしれないと。

個人事業を一度行ってみると、安定収入はかなりの魅力です。確かに給与は安く抑えられ、足元を見られ、一日の長い時間を拘束されてしまいますが、確実性の高い収入はやはり精神の安定につながります。

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頭だけで考えすぎずに具体的に何かしたか?を考えて手を打つ

「怒り」にとらわれやすい人は、おそらくその他の感情にもとらわれやすく、冷静さを失いやすい気性だと思います。貯金が減っていくだけの毎月はかなり精神的にきます。

もちろん、完全な理不尽でメンタルがダメになりそうなときは、まず今いるコミュニティをすぐ離れる。職場などであればすぐ退職するようにします。怒りのコントロール、我慢は必要ですが、怒っていいときに怒らないのはいけません。

できれば楽しい情報で打ち消すのが、毎日を楽しく生活するという観点ではいいですね。お肉、スイーツ、なんでもいいのですが、好きな食べ物をご褒美として与えたり、買ってきてもらったりすると、結構気持ちが切り替わったりします。

食事の楽しみや趣味の時間を想像すると、ポジティブな形の逃げが可能です。ただ、嬉しさは割と弱く、怒りの原因が根本的解決が必要なものだったりすると、そもそも楽しめなかったりするので、効果としては恐怖などに比べると弱めなのが難点です。

これらのことを対応して、ある程度冷静になったら、人間嫌なことは嫌なので、根本対策を考える必要あります。3段階の対策のうちの1つ目、燃えやすい状態を作らない。というのが重要な対策になります。

おそらく、ストレスに関しては一番は人間関係。環境に不満があったとしても、その環境をどうにかできる希望がない相手との空間なのか、ともに改善していける相手との空間なのか、で大きく変わってくるでしょう。

ともに改善していけない相手ならば、一日の時間を最も使っているであろう会社に不満が大きくなるので、退職ができる力をつける、というのがミッションになります。

仕事をなくすという恐怖に関しては、正しく恐れないといけないところもあるので、今はインターネットで求人を見ることも可能なので、まずはハローワークに登録するなどして、なんとなくの就職情報や相場観をつかんでおくとよいと思います。

今おかれている環境が本当に不遇なのか、今後転職したとして出会いそうな課題に比べてどうか、などなんとなく捉えておくと、怒りを鎮める一つの作用となるかもしれません。

できるだけ、頭だけで考えすぎずに具体的に何かしたか?を考えて手を打っていったほうがいいと思います。意味がないように思えても、5分10分なら捻出できるはずです。

会社である程度成果を出せる環境にあるなら、まずは会社で成果を出せるように。もしくは、最低限クビにならない程度の働き方をする、などを行いつつ、それだけではリスクが高いので、少しでも時間を副業の進行に当てたりします。

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怒りを効果的なコミュニケーションツールとして安易に頼っている

さて、そもそも「怒り」という感情は強い感情で、同じく強い感情である「恐怖」を刺激するため、他者を動かすことに対して一定の効果を発揮します。どうしても伝えたいことや、譲れない何か一つに関しては時には「怒り」を使うのもいいでしょう。

ですが、本来は会話で伝えないといけないところ、もしくは限られた時間やステップで一度に伝えることが難しいことを一度に伝えようとするあまり、「怒り」を行動の頻度の高い選択肢として選択してしまっている状態になっているかもしれません。

「怒り」をコミュニケーションツールとして安易に頼っている状態とも言えます。

私自身、脳内にあることが口頭から出ていかず、早口でテンポよくラリーするような形でコミュニケーションをとりたいことが多いです。会社などでの会議はまどろっこしい。そのスピード感がフラストレーションになり、怒りが起こりやすい状態になっています。

口から出せる情報量と考えている情報量のバランスが悪い状態ですね。

このようなパターンも「燃えやすい」状態になっているので、根本的な対策が必要になってきます。結局のところ感情のコントロールは「やりたいこと」と「できること」のギャップをいかに少なくするかにかかっているので、「できること」に難があるなら、「やりたいこと」をいかにコントロールするか、という話になってくるでしょう。

「やりたいこと」は「頑張っている」ことの副作用として発生するようなところがあるので、結論としては「頑張りすぎない」ということに尽きるでしょう。

会議で決めるとしたら「100%」を目指さずメンバーによっては、「50%」までやりたいことが到達できればよいか・・とまず期待値を決めておく。そうすれば「やりたいこと」と「できること」のギャップが少なくて済む。

Eruption

怒りのマグマをエネルギーと活用していくために

とはいえ、自分の中にいろいろな熱い思いがあると思います。それらまで無理に抑え込むと、おそらく体調や精神に影響してしまいます。自分の特性はどうしようもありません。怒りのマグマが生まれやすいのかもしれませんし。

かといって、怒りのマグマを噴火させてしまうと、基本的にいい結果にはなりません。感情のコントロールができない人だと烙印を押されてしまいますので、マグマはエネルギーとしてうまく活用しないといけません。

そして、おそらく自分自身そのようなことは言葉ではわかっている。巷に対策本は転がりまくっている。しかし、実際にはうまくいかない。それは、具体的に自分に対して適切な対策を落とし込めていないからです。

こればかりは実際に試していくしかないでしょう。理屈では自分を抑え込めません。いつか爆発します。マグマをエネルギーと活用していくために、その掃き出す場所は休みのときや、移動時間に考えておくのがよいかと思います。

心安らかな毎日のために。

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