
仕事の分担での不公平感
仕事をしていると、どうしても「自分のほうが負担が多い」と感じる場面に遭遇します。できればないとよいので、不公平感をなんとかできるよう考えていきたいと思います。 特に、同じチーム内で仕事をしていると、仕事の量や内容に偏りが生じやすいです。その結果、不公平感が募り、モチベーションの低下や不満の蓄積につながることがあります。
仕事の量に差が出る理由はさまざまです。単純に能力の差で処理速度が異なることもあれば、上司の裁量で仕事の割り振りが決まることもあります。また、「頼みやすい人」に仕事が集まりがちな環境もあり、性格や働き方が影響することもあります。
ちなみに、不公平感を感じているとき、ある程度周囲の仕事がわかっているのだと思います。相手の仕事がブラックボックスであれば、不公平感は出てきにくいものです。
ある程度分かっているなら、さらにできるだけ正確に仕事をとらえるようにしましょう。自分が理解できていない仕事があるかもしれませんし、自分がやったら早い可能性も大いにあります。
ブラックボックスの場合は自分だけが遅く帰っているような状況でしょうか。この場合は、自分がただ仕事が遅いだけの可能性も捨てきれませんので、この場合もできるだけ正確に仕事をとらえましょう。

不公平感を感じる状況に陥る人の特徴
不公平感を感じやすい人には、いくつかの共通点があります。
- 責任感が強く、他人の仕事まで背負い込んでしまう
- 仕事の成果をしっかり出したいという思いが強い
- 周囲の行動をよく観察し、比較してしまう
- 客観的に他人と仕事の違いが分かりにくく自分の負担が多いことを指摘しづらい
自分の仕事での行動パターン
不公平感を抱える人の多くは、自分自身の行動パターンに気づいていないことがあります。
- 自分から率先して仕事を引き受ける
- 断れない性格で、頼まれると対応してしまう
- 他人のミスをフォローしようとする
- 「自分がやったほうが早い」と考えがち
仕事の配分において、空気を読める人とそうでない人では大きな違いが出ます。周囲の負担を察して動ける人と、そうでない人では仕事の偏りが発生しやすいです。しかし、常に空気を読んで仕事を引き受けていると、結果的に負担が増すこともあります。

不公平感も結局のところ感情の問題
「不公平だ」と感じるのは、実際の仕事量の問題よりも、主観的な感情の要素が大きいです。納得感がない仕事の振られ方をされると、不満が強くなります。一方、納得できる形で使命感が沸き起こるような形で仕事を割り振られれば、多少の負担が増えても不公平感は少なくなります。
言葉にして伝える必要性
仕事の分担において「察してほしい」「気づいてくれない」という考え方では、状況は変わりません。曖昧なサインでは伝わらず、不満が溜まるだけになります。イライラや態度の悪さなどによる非言語コミュニケーションは避けたほうが無難です。
「自分ばかりが仕事をしている」と思うのであれば、それを言葉で伝えることが必要です。上司や同僚に対し、客観的なデータや事実を交えて話すことで、具体的な調整が可能になります。
一方で、そもそも「空気を読む」ことが苦手な人もいます。このタイプの人には、明確な言葉で説明しないと、仕事の配分の偏りを理解してもらえません。

不満を解消するために必要なこと
不満を解消するには、いくつかの対策があります。
- 仕事の分担ルールを明確にする
- 誰がどれだけの仕事をしているかを見える化する
- 直接的なコミュニケーションを増やす
- 「察してほしい」という期待を減らす
交渉しても変わらない現状がある場合
場合によっては、仕事の分担について交渉しても、現状が変わらないこともあります。そのときは、次のような視点で考える必要があります。
- 仕事のやり方を変えられる部分があるか
- 代わりに別の仕事を割り振れるように提案できるか
- そもそも職場環境を変える必要があるか

同じ行動をしても得な人と損な人
同じ行動をしても、評価されやすい人とそうでない人がいます。これは、単純な実力の問題ではなく、職場での立ち回りや見せ方の影響も大きいです。
実は人より難しいことをサラリとこなしているにもかかわらず、評価をする側が聞いてほしいところで意見を聞かなかったり、ふとした言い方が気分を害するような言い方をしていたりすると、マイナス評価が勝ってしまいます。
正確には仕事ぶり自体は評価はされていたりするのですが、面と向かってほしい言葉はもらいにくくなります。ただ、それをあえて与えることが場合によってはマネジメントの仕事の範疇になってくるでしょう。
他人の仕事のやり方に思うところ
周囲の人の仕事のやり方に違和感を覚え、それがストレスになることもあります。自分と価値観が違う人の働き方を受け入れることも重要です。
「なぜあの人はもっと動かないのか?」と思うことがあります。しかし、それは単にサボっているのではなく、
- 自分の役割を狭く認識している
- 指示が曖昧で何をすべきかわかっていない
- 仕事の優先順位が違う
- やらないほうがいいと思っている。
- といった背景があることも考えられます。

根本の認識がすれ違っている可能性
「同じチームで働いている」という意識を持っていない人もいます。この場合、価値観を共有することが大切になります。
だからといって、チームとして~のような会話は大義名分的なものではあるものの、生活費を稼ぎに来ている人からするとどうでもいいと感じやすく、温度感は人やタイミングそれぞれなので、具体的に困りごとや利便性にフォーカスしてやることをすり合わせていくとよいでしょう。
頑なな行動の背景には必ず何か理由がある
ある人が頑なに動かないのには、何かしらの理由があります。例えば、過去のコミュニケーションの失敗によって相手が見返りの少なさに失望している、やるインセンティブがなくデメリットしかない場合などです。
効率化してもただ仕事が増えるだけ、のような状況でしょうか。それをできるだけ正確に理解することで、説明するポイントや対処方法が見えてきます。
それを本人が理解しているかどうかはわからない
ただし、本人が自分の問題点を自覚しているとは限りません。指摘されるまで気づかないケースも多いです。人によっては、自分で振り返って改善できるタイプと、そうでないタイプがいます。相手に合わせたアプローチが必要になります。

解決策はマネジメントの分野にある
最終的に、仕事の不公平感をなくすためには、マネジメントの視点が不可欠です。適切な業務配分と公正な評価が行われる環境を整えることで、不満を減らすことができます。
ただ、正しいマネジメントができているのか、というと疑問符がつく職場かもしれません。その場合は、不公平感が自身の発展やスキルアップなどにつながる前向きなものにつながるかどうかを考えます。
自身の成長につながらず、ただ損をしている場合は適切に手を抜く努力をしていきましょう。しかし、手を抜くといってもただサボるというよりは、やるからにはしっかりやるけれど、できる限り無意味な仕事を「やらない」方向にもっていきます。
ただ、時間があると丁寧にやってしまうタイプだからこそ不公平を感じる仕事を抱えている可能性もあるとして、「やらない」は難しいかもしれません。その場合は、「やれない」ように自分を持っていきましょう。
ほかに無理やり仕事を作ったり、時間のかかる趣味を作ってそちらに時間を割くようにして、これまでの仕事に時間を割こうとしても割けないようにしていくのです。これも一つ一つトライです。
対策のまとめ
- 仕事の分担を可視化する
- 言葉で伝えることを意識する
- 価値観の違いを理解する
- 相手の行動の背景を考える
- マネジメントの改善を求める
- 今の状況から離脱する工夫をする
仕事の不公平感は、単なる業務量の問題ではなく、感情や価値観のズレから生まれるものです。適切な対策を講じることで、働きやすい環境を作ることができます。
仕事量が多くてもその分の見返りがあればよいのですが、そうではないから不公平感が出てくるものです。毎日を楽しく過ごすため、順を追って不公平を是正していきましょう。