やりたい仕事に時間を当てられていない日々
ホコリまみれの部屋。そこに住む自分に嫌気がさし、そのような日々に終止符を打つため、ある日を境に定期的な掃除をするように自分に課しました。
もちろん、毎日はしんどいので、週末だけ。日曜の1時間を掃除の時間に当てることにしました。しかし、掃除というものは主婦(主夫)が毎日のタスクに組み込んで行ってようやっとキレイな部屋を保てるもの。
日曜1時間だけの掃除でカビが発生したりして困った事態になったので、掃除を念入りにするようにしました。その甲斐あって、流し台の下やシンクはキレイになりました。おうちがキレイだとなんとも気持ちいいものです。かつて、こんなにワンルームをキレイに保てたことがあったでしょうか・・・
しかし、そんな満足感とは裏腹に、貴重な日曜がほぼ掃除で終わってしまって、趣味に割く時間が全然取れないことに憤りを感じていることに気づいてしまいました。カビ発生の対策で掃除箇所を増やしたところ、日曜の3時間以上を掃除に費やすことになっていたのです。
掃除が趣味ならいいのですが、別にそういうわけではありません。掃除中も歯を食いしばって渋々取り組んでいます。虫の死骸や、これまでに見つけていなかった嫌な汚れに出会ったときは、しばらく固まりながらも、投げ出したいながらも、キレイな部屋のため、部屋の掃除を実行していました。
強迫観念に追い立てられながら掃除を念入りにして、パソコンを触りたいはずの時間を部屋の掃除に費やす中で思うのです。俺は掃除をする今を過ごしたいんじゃない・・
さて、今回はやりたい仕事を進めたいけど、やりたい仕事以外に時間を割くことになって、やりたい仕事に時間を当てられていない日々が続いているときの対策について考えてみたいと思います。
自分はここのところ、日常生活で掃除に時間を費やすことによって、そう思っていたのですが、家庭でも会社でも本当にやりたいことに手をつけられないことは往々にしてあるのではないでしょうか。
やりたいことから取り掛かってみましょう
だとしたら、いつも取り組んでいる仕事の順番を入れ替えてみるといいかもしれません。いったん何も考えず、やりたい仕事から先にやってしまうのも1つの手かもしれません。やらなくていいと思っている仕事ならきっとやらないはずなので、やらねばならないと思っているからやっているのでしょう。ということは、仕事を減らすことはできないとして考えてみます。
仕事には、自発的にやりたい仕事、さほどやりたくないけど重要な仕事、どうでもいい仕事、などがありますが、ここのところ重要かもしれないけど、自発的にやりたい仕事に取りかかれていないというフラストレーションが自分の中に溜まっていたりはしませんか?真面目に取り組みがちな人ほど、さほどやりたくないけど重要(と思っている)な仕事を優先しがちかと。
いつも、やらねばならないことから先に取り掛かっているなら、ときには、やりたいことから取り掛かってみましょう。やらねばという気持ちで動いていて1日が終わってしまい、いつまでもやりたいことにたどり着けていないなら、罪悪感や恐怖が生まれるかもしれませんが、やりたいことから手を付けるのです。
もしくは、やらねばならないことに取り掛かるタイミングが遅いのかもしれません。やらねばならないことをやる前に、どうでもいい仕事を先にやってしまっている可能性も考えられます。自分のやっている行動を見直して、タスクへ取り掛かる順番を入れ替えて、少しでもやりたい仕事に取り掛かる時間を増やせるスケジュールにしたいものです。
不思議なものです。それぞれのタスクにかかる時間は同じはずなのに、取り組む順番を変えるだけですべてが終わるまでにかかる時間が大きく変わってしまうことがあります。仕事を減らすとしたら弊害が出ないように、どうでもいい仕事や思考だけを減らしていかないといけないのですが、仕事に取り組む順番を入れ替えることで自然と上手くいく可能性があります。
物事には処理するのに最適な状態がある
タスクの順番を変えるだけで、仕事全体の時間が少なくなるのはなぜでしょうか。
それは、物事には処理するのに最適な時間帯というものや、処理するのに必要なモチベーション量や適正な精神状態があるからです。自分の元々持っているバイオリズムは侮れません。
モチベーションが高く必要なこと、モチベーションが低くて大丈夫なこと、時間に追われる感覚があるほうが良いこと、逆に心のゆとりがないといけないこと、集中しないといけないこと、気が散っているほうがいいこと…
例えば日常生活では、お風呂に入るのをご飯の前にするだけで、「え?まだこんな時間」と思うようなことはなかったですか?健康面は微妙だとする情報もありますが、食後はまったりしてそのまま寝るのがバイオリズム面でスムーズです。自分はいつぞやからそうしていますが、寝落ちによる非効率な状態に出会わなくなりました。
お風呂がご褒美になるくらい好きな人なら、むしろお風呂が後のほうがよかったりするかもしれません。
食後というものは血糖値が上がって眠気を誘います。空腹時にはハングリー精神で食事というご褒美を目指して活動に適した状態になります。ご飯を食べた後ではなく先にお風呂に入るようにすると、食後の眠気に出会わなくて済むことと、食事というご褒美が待っていることが、アクションを起こすモチベーションを上げて、ダラダラと動かなくなることが理由でしょう。
もし、人間としての生体反応は概ね共通でしょうが個体差はありますし、モチベーション面ではなおさら個体差があります。最適な状況は人それぞれ違いますが、何のことはない日常の1コマでも、面倒くさい感情、眠気、体力、油断、色々な要素で結果の違いが生まれているものなのです。
会社の仕事では、データ資料作成の時間を午後に取り組んでいたものを午前に持ってきたり、朝のミーティングを昼に持ってきたりするだけで、帰る時間が早くなったりしたことはなかったでしょうか?やる気に満ちている日よりも、やる気がない日のほうが仕事がスムーズだったりしなかったでしょうか?自分はありました。
無駄な思考を省けることでエネルギーを消費してしまわないこと。没頭しやすいタイミングで取り組むことで雑念や無駄な休憩が発生しないですむこと。脳や身体の暖まり具合や疲れ具合が仕事内容にうまいこと合致すること。が理由です。
朝の脳は疲労感があまりないため、計算ミスなども少なく精度が高いものです。やる気が高すぎると今やらなくていいアイデアがどんどん生まれてきて、情報処理や行動コントロールが大変になって仕事が終わりにくくなります。疲れて適当なくらいが必要以上に緊張しなくて済むので伝えたいことがあるコミュニケーションには適しているかもしれません。
だるかったり、やる気がなかったり、体力が残っていたり、自然と発生するエネルギーに抗うのはかなりの気力が必要です。それが、取り掛かる時間を入れ替えることで、変に気合を入れたりすることなく、作業に集中することができたりするのです。
優先順位とタスク処理のルール
仕事の順番を変えるといっても今やっている仕事の順番は、ある程度失敗を重ねてきて、トライアンドエラーを重ねてきて、今の順番になっているのかもしれません。とはいっても、順番を変えずに設備投資などなく同じやり方を続けていたとしたら、熟練や体の調子などで変動するスピード分しか早くなりません。
だからといって、自分一人でなんとかなるスケジュールならともかく、他人が関係するスケジュールなら思うように取り組む順番を変えることはできないかもしれません。あらかじめ決められてしまっているスケジュールは変えられないこともあるでしょう。
自分一人の要望ではどうにもならない定例ミーティング、毎週週末の家族サービス、など。交渉が可能なら交渉するものの、そういったものが固定したスケジュールとしてある場合は基本的に諦めるしかありません。
その日だけで順番を入れ替えることは無理なので、1週間単位などで順番を入れ替えることを考えます。もしくは、決められた順番を固定する代わりに自分の起きる時間と寝る時間をズラすなどで決まった順番を挟むタスクを前後させるなど、抗えるところは最大限抗います。
それに、順番を入れ替えたとて、結局1つのタスクに掛かる時間がさほど変わらなかったり、1つのタスクは早くなったとしても、1つのタスクが遅くなったりすることもあるでしょう。そういった場合は、どれかタスクを捨てる必要があります。時間で区切るようにして、区切られるものは潔く捨てるタスクとします。
時間が来たら、それ以降のタスクは捨てるため、重要なタスクややりたいタスクを最初に持ってくることを意識して、必要だと自分が結論付けたタスクは確実に取り掛かって進められるようにします。タスク管理術で当たり前のように言われている優先順位をつけるということですね。
仕事の終わりを固定することによって、自ずと先に取り組んだものの時間が増えるということです。後に取り組む仕事をやるためには、先に取り組んだ仕事を予定通りに仕事を終らせる必要があります。もし、延長してしまったとしたら、後に控えているタスクを捨てることになります。
予定通りに仕事が終わるようにするには、余裕を持ったタスク組み立てが必要なのですが、おそらくギュウギュウに詰めていること前提で考えると、ちょっとしたトラブルですぐ延長になりがちです。ということは、確実に進めることができるのは最初に取り組んだタスクです。
すべてが捨てられないタスクだ!ということもあるでしょう。その場合は、時間を減らすことは諦めるしかありません。すべてがきっと重要なタスクなら、捨ててはいけないからです。まあ、他の日にやったりして、結局なにか他のタスクを捨てないといけないですが。ついつい削りがちなのがその日の睡眠時間になるのですが。
どうでもいいタスクに手をつけずに、スケジュールの最後に割とどうでもいいタスクに持ってくることができたら、優先順位付けと自分のコントロールが上手くできているということになりますね。優先順位を1つ1つのタスクでつけていく事が大事だ。と巷や職場では目にすることもあるかもしれません。
もちろん、優先順位をつけることは大事なのですが、優先順位をつけたりキレイにスケジューリングしようとしすぎると、そこにエネルギーを使いすぎます。むしろ、その時間にタスクが終わっていくくらいです。なので、優先順位は頭に強くあることで順番をまず決めるぐらいでよいです。本当に大事なことは自分が1番わかっていてすでに頭にあるのです。
優先順位を考えて選択するということをしなくても、本当に重要なことは自分の頭の中に残り続けますし、忘れたりしません。頭で覚えておくことができるものだけを取り組むことを意識しておけばよいでしょう。それに、頭に残るくらいのことしか処理できないことが多いでしょう。
怖いのは、重要だけど自分の中で抜け漏れが起こっているタスクです。メモやスヌーズ機能での対策が必要なのはこの類のものです。それに関しては、優先順位は割り込み型なのでいったん忘れます。考えるとしたら、頭にあるタスクを処理することができた段階で考えるようにします。
まずは順番の入れ替えから
やりたいことを進めるには、なんとかして忙しい日々のなかで時間を捻出する必要があります。睡眠時間を削ると結局効率がわるいので、不要なタスクを削ったり、効率を上げたりして、やりたいことを進めるための時間を生みます。睡眠時間を確保するためには1日の仕事を終える時間は固定しておく必要があるでしょう。
忙しい時というものは、タスクも多いからして、優先順位を立てるにも情報を見て判断して~と優先順位を決めるというタスクがまた別に発生するようなものです。ここで無駄なエネルギーを使うのはもったいないです。そもそも、重要なことってタスク表を見ずとも頭の中に残っていませんか?
仕事というものには、目的があってやりたい仕事と、できればやりたくないがやらないと自分が困る仕事というものがあるものです。1日に働ける時間は限られているので、やりたい仕事に割く時間を多くしたいものですよね。
また、1日は24時間と決まっています。やりたいことが色々あったとしても、タイムリミットは決まっています。仕事がスムーズにいくときもあれば思いの他時間がかかってしまって時間が伸びてしまうこともあるでしょう。それでもやりたいことを実行する場合は、確実に実行できる量の計画にすることです。
完璧主義な傾向がある人ほど、やりたいことを先に持ってきたほうがよいでしょう。やりたくないはずのことでもやりだすと、しっかり納得行くまでやりたくなってしまうものです。その時間が苦しいものだったとしても。そして、押してしまった時間は、後でやろうとしていたやりたいことの時間を奪ってしまいます。
今のタスク計画を見直したときに、計画通りにしたとして、自分の本音はどうでしょう。数あるタスクの中で最初に取り組むことが、その中で一番やりたいことでしょうか?いやいややっている自分に気づいていませんか?その自分に蓋をしながら、やりたくないことから手をつけてはいませんか?
もちろん、やりたくなくても重要なことは先に取り組まないといけないことはありますが、絶対やらないといけないことでないのなら、後に回してみるのもいいかもしれません。大事なのは、順番を入れ替えると決めたらそのとおりにやってみることです。ここで迷ってしまうといけません。仕事術の書籍で言われる「最適なタイミングでタスクを処理する」ということです。
やりたいことを最後にとっておくのも、1日を楽しく終える上ではなかなかオススメな組み立てですが、やらねばで時間を奪われたときのストレスは尋常ではありません。よって、やらねば仕事は確実に終わらせられる分量で計画する、ここまででOK、など決めておく必要があります。自分のコントロールが重要ですね。
やりたい仕事に時間を多く配分して進めていくためには、増やしたい時間分を他の何かの時間を減らさないといけません。文字にすると当たり前のことですが、実際はなかなか難しいものです。すべてやらないといけなかったり、やらないと問題が起きたりするからです。
可能なら仕事自体を捨てることですが、そうはいかない次善の策として仕事の処理時間を減らすために、タスク処理の順番入れ替えは機能することでしょう。失敗はするかもしれません。むしろ、余計に時間がかかってしまうかもしれません。
それでも、こちらを先にしたほうがスムーズな可能性があるな、と感じているなら試していきたいものです。やりたいことをうやっている時間が少しでも増えるように、まずは順番の入れ替えから試してみましょう。仕事自体のテクニックはその次です。入れ替えを試してみようと思える自分の頭に浮かんでいるタスクは何でしょうか?