整理整頓できない状況を見直す
ブックマークの整理やフォルダの整理、その他各整理タスクはありますか?そういったものは、ずっとToDoに残っているということはないでしょうか。私はずっと残りがちです。
ここでいう整理タスクとは、主に漠然と内容を理解したり、感覚を掴む工程、構成見直し、情報の取捨選択が必要かどうかの判断といった具体化されていない、明確に言語化しにくい段階の作業となるでしょうか。
ファイルなどの情報整理などを例にとっても、その本質は、仕事を進めやすく情報をわかりやすくすること。ファイルを削除するなどは、わかりやすくするための手段であって目的ではなかったりするものです。
さて、その整理整頓タスク。意気込んでToDoリストに追加するものの、ToDoリストに追加された整理整頓タスクは処理されることはなく、新年を迎えたタイミングだったりに刷新されることが恒例となっていないでしょうか。
私自身そういったサイクルを幾度か経験することにより、整理はなかなか取り掛かることが難しいと思ったので、ここらで対策を講じたいと思います。
なお、整理整頓の時間を1時間などとって、確実にそれを実行できるという場合は、おそらくこの記事は役に立つことはありません。また、整理整頓自体が苦手だからよいテクニックを求めている人にもおそらく役に立つことはありません。
整理整頓自体はできるものの、ToDoリストに入れた整理整頓タスクを予定通りに行えない、実行できないという場合の対策となります。この対策をとれば、忙しい仕事のなか、何とか整理整頓が進むことでしょう。
ToDoはいらない
対策としては簡単です。整理整頓という名目で予定やToDoに入れる必要はないということてす。処理できなくてなんともいえない気持ちを抱えてしまうくらいなら、最初からToDoに入れなければよいのです。
こう書いてしまうと、それでは整理整頓ができないじゃないか。諦めているだけではないか。と思われるかもしれません。しかし、整理整頓は行いますし、諦めているわけでもありません。
また、もちろん仕事上ToDoリストとして体裁が必要な場面もあるでしょう。そういうときはToDo自体は用意するものの、ToDoを思考の起点にタスクを処理しようとしない、ということを意識してください。
ToDoリストへタスクを追加することが不要なだけで、整理整頓が不要というわけではありません。取り組み方として、ToDoリストに登録して横断的に行うような整理整頓が不要なだけです。
ではどうするかというと、仕事のなかで、何か整えたいという衝動が生まれたタイミングで、衝動に動かされる形で自然と行える整理整頓を行います。まずは、5分だけ行うというルールを設けて、取り掛かりのハードルを下げます。
取り掛かる場所としては、具体的なFMTや書類を見て分かりにくい!と感じた所からピンポイントにということです。それで、取り掛かれた内容を「概要化」し、ToDoリストのような項目に逆作成して、報告などが行えるようにします。
ここで、大事なことは、衝動で動いても大丈夫なように、何かついでになりそうな包括的な体裁上のタスクを見繕っておくというところです。ほかのToDoタスクの抱き合わせで処理するようにします。
それは、「整理」というタスクが大きくなりすぎないようにです。「整理」というタスクは表現は地味なのにかなりの工数を持っていきます。実際の所、5分で終わる整理というのはあまりなく、30分、1時間、2時間、3時間、とかかるでしょう。
それでも、本当に忙しいときはそこまで整理整頓に時間をかけられる状況にはならないはずです。5分だけやるとして取り掛かりのハードルを下げながら、乗ってきたらそのまま整理を進め、状況の流れに合わせて切り上げるようにします。
切り上げるときは、具体的なタスクとして落とし込めたならToDoへ追加。これは、明確にタスクとして処理することができるならそうします。これも、残りがちなら忘れてしまいます。
整理整頓は抱き合わせで
こうして、整理整頓を抱き合わせてやってしまう方法をとる理由としては、以下のような理由があります。
- 作業の勢いがあること。
- 体裁上の都合があること。
- 実行する仕事を変えること。
まず、1つ目の「作業の勢いがあること」についてです。
「鉄は熱いうちに打て」ということわざがあるように、整理整頓する箇所が思いついたその瞬間にこそ、いちばん作業エネルギーがあるものです。つまり、やる気が高いです。
しっかり工程を整えて、あとでやろうとすると、ToDoリストが残るような状況のタスクなら間違いなく億劫ですし、取り掛かることはないでしょう。しかも、今思いついているアイデアも忘れてしまって、思い出すのに時間もかかります。
次に、2つ目の「体裁上の都合があること」についてです。
仕事の整理整頓は、トラブルを避けたり仕事のクオリティを上げたり、今後の工程の無駄を省いたり、仕事に取り組む上ではかなり重要なタスクとなってきます。
にも関わらず、「整理」というタスクだけを行っているように対外的に見えてしまうと、「整理は効率的に行って、仕事を進めることをしなさいよ。」となってしまう恐れがあるからです。
もちろん、私もそうですが、誰しも「整理」の重要性は理解しているものの、不思議なことに他人の「整理」タスクに関しては、許容できる時間が短いという傾向があります。
というのも、「整理」方法は仕事術のようなクオリティレベルやそれぞれが重要とするポイントの違いがあって、個々人によってかなりの程度問題が発生してしまい、「業務」と「勉強」の区切りが必要になってくるからです。
「業務」として認められる範囲は、あらかじめ確保された研修時間だったり、整理されていない情報に関してざっくり情報を分類するくらいの時間だったり、というところがせいぜいでしょう。
しかしながら、整理タスクは具体化できていないことを取り扱う特性から、工数もタスク分解もできていない状態なので、それなりの工数が必要になってくるでしょう。
ただ、この重い不確定なタスクを正直に3hとして見積もってしまうと悪目立ちするので、下記のような見え方を意識するとよいでしょう。
「整理」とくくる工数はできる限り少なくするのです。
整理 (3h)
作業A(1h)
作業B(1h)
作業C(1h)
↓
整理 (0.5h)
作業A(1.8h)
作業B(1.8h)
作業C(1.9h)
仕事の下準備として、あらかじめ仕事を真面目にこなす積み重ねをしつつ、共有するスケジュールに関してはフワッとさせる部分をもたせつつ、なんとなく許される時間をできる限り増やしてください。
職場のブラック度が高い場合や信頼性が低い状態のときは、マイクロマネジメントされるので、自由な時間は少なくなります。残念ながら許される時間から溢れた整理に必要な時間はテイクアウトするしかありません。
しかしながら、業務時間として認められにくい「整理」を少しでも業務時間内に盛り込み、テイクアウト前提にする時間を減らしていくことが、「整理」する時間を1日の中で多く確保する上で大事なこととなります。
ちなみに、整理整頓を盛り込めそうなタスクは多めに作業時間を見積もっておくことが大事です。思っている作業時間の2倍から3倍かかる心の準備をしておきます。
情報の整頓範囲が広いものを小さくまとめようとすればするほど、整理整頓には時間がかかってしまいます。終わりがなかなか見えてこないのも、整理整頓タスクの特徴としてあります。
最後の3つ目についてです。
これが、ToDoリストが残って整理ができない本質的な部分になってくるかもしれません。
前提として、新人ではなくなっているならば、取り組むべき仕事は1つではなく複数存在しているはずです。いくつかの仕事の優先順位を決めて、優先順位の高いものから取り掛かる、ということを行うことになるでしょう。
となると、複数ある多くの課題の中から、優先度が高いものから取り掛かっていって、締切から逆算して今日行っておくタスクが終了したら1日が終わると思います。1日はあっという間です。
さて、タスクには優先度がありますが、ざっと以下のように四分できます。ビジネスに関するTipsで一度は目にしたことがあるでしょう。仕事のカテゴリとして4つの分類ができると思います。
①緊急で重要な仕事
②緊急ではないが、重要な仕事
③緊急で重要ではない仕事
④緊急ではなく、重要ではない仕事
自分のタスクを分類したときに、①はクレームなどのトラブル対応だったり、締切が明確に近いものとなるでしょう。これは最優先で行うため、「整理」作業云々ということはないと思われます。
経緯の整理などは、仕事の中で必要なことなので、このテーマでいう整理とは異なります。また、締切が近いものはそれは指示があったりして行わないといけないので、やっつけ仕事だろうとなんだろうと取りかかれないことはないはずです。
「整理」作業は往々にして②になってくるかと思います。もちろん、自分の仕事の見極めレベルが低いうちは④の可能性もあるのですが、自分の見極めレベルが上がるまでは自分自身で④に分類できないので、自分が重要と感じている「整理」作業は②だとします。
問題としては、自分では大事だと思っている仕事を行うための自分の時間が、あふれる③によって自分にとっては価値の低い仕事に自分の時間を侵食されることです。
行動のきっかけとして、実際に仕事を実行するかどうかは、緊急かどうかという観点で実行を決めていくので、自分にとって重要ではないタスクでも、緊急性が高ければ割り込んできます。
具体的で明確な急を要する仕事がある以上は、それに優先度で勝つことはできませんので、そちらの仕事に取り掛かってしまいます。衝動性が高い人であれば、なおさら本心とは裏腹に対応してしまうことに。
そして、1日の限られた時間は、①と③で処理できる量を使い切ってしまっているのではないでしょうか。
③があまりにも多い場合は、管理職との相談が必要なケースになってくるとは思いますが、個人レベルで対策するとしたら、意識するのは①と②を抱き合わせて③が入る隙間をなくすことです。
特に後で振り返った時に、何も成果物やアウトプットが残らない仕事に時間を割いてしまわないようにすることがここでの大事な点です。
なお、整理整頓自体もすぐさま成果物になることは少ないですが、のちの成果物やアウトプットのスピードやクオリティ、誤認におけるトラブル防止につながる前提です。
その違いは、自分自身が一番分かっているのかと思います。後で業務時間の使い方を後悔したり、仕事のやり方にイライラが湧いてきたらおそらく③でしょう。
他にも重要かどうかの振るいをかけるには、脳の忘却フィルターを活用すればよいでしょう。自分が重要と思っているものはメモをしなくてもしっかりと頭に残っているものです。
やらないといけないと思っているものは、危機感があるため頭の中には意外と忘れずしっかりあります。
こういったものを、緊急性の高いタスクに取り組んだ流れに乗りながら、少しだけ強い意志を持って自身が思う重要なタスクを抱き合わせるのです。
これら3つの理由から、整理整頓は通常の業務に抱き合わせで行うのが望ましいのです。
帳尻をあわせるように整理していく
確かに、しっかり計画を立てて、適切にタスクを処理していくことが望ましいですが、そもそも予定通りに終わる仕事というのはなかなかないものです。
色々な仕事を差し込まれる中で、早く帰るために仕事を取捨選択していることかと思われます。すると、重要だけど時間がかかるタスクというのは基本的に取り掛かることができなくなります。
そういった状況を繰り返してしまっているなら、やろうと思うことを無理やりにでもやるなら、差し込みタスクのように取り扱ったり、何かのついでに行ったりすることは、必要な一手ではあります。
計画的に淡々と処理できる1日の枠は、すでに別のタスクで埋まったり、差し込まれるタスクなどで奪われていきますので、1日の業務が終わったときに、「やりたいという欲求」と「残りの体力気力」があったときに半ばやっておくしか方法はないかと思います。
しっかりと物事を整理して、無駄な立ち止まりや確認作業に時間を奪われることなく、パフォーマンスが高くなるようにしたいですね。それでは。